一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
連勝できた川崎の勢いを週末に!
2015/4/2(木)
この土曜は中山で8鞍に騎乗します。4Rのマイネルライヒと5Rのコスモデレガンスは競馬内容が良化中で、相手関係を含めてもう一歩のところ。最後のひと押しが利くような騎乗を心掛けたいです。6Rのウインセイヴィアは、結果にちなんで状態もかなり良くなっているとのこと。この番組で何とかしたい気持ちが強いですね。7Rのサンタナブルーは、前走で課題があるスタートを出てくれた一方、流れに乗せすぎると甘くなってしまう部分も感じました。前半のポジションは気にせず、最後にしっかりひと脚を使わすような競馬をさせるつもり。乗り方ひとつで着順は上げられそうなイメージがあります。
日曜も中山で9鞍に騎乗します。ダービー卿CTのマイネルメリエンダは、前走でかなり力をつけているのを感じましたし、さらに状態も上がってきたと聞いています。東京に比べて中山に替わるのはこの馬にとって大きなプラス。今の馬場も合っていると思うので、ハンデ戦も相まってロスなく乗れればチャンスです。伏竜S(10R)のマイネルオフィールは、これまで乗った2戦で勝手も知っている能力が高い馬。2走前に乗った時は休み明けで気負っていて、次は絶対良くなるという感触があったんです。案の定、他のジョッキーで勝ってくれましたが、十分オープンでもやれる手応えがあります。2度目の中山コースというアドバンテージもありますからね。
1Rのアキトジュピターは、2戦目の変わり身が思ったほどではありませんでしたが、ダートは悪くないでしょう。砂を被ることが逆に刺激になって、集中力が出てくれることに期待します。2Rのローレルロケッツの前走は外枠が響きましたが、初めて砂を被せたことで、今回は慣れも見込めると思います。能力は高いので、ここで勝つシーンを想定したいですね。8Rのサムソンズシエルは、前走のように自分のリズムで走らせられればしぶとい馬。出してくる相手がいればハナにこだわるわけでもありませんし、柔軟に立ち回って勝たせてあげたいです。9Rのコスモドームはゲートが良くないので、何とか出して中団くらいで進めるのが理想。それでも出なかったら前走のように作戦を切り替えますが、今回もいい競馬ができるイメージは持っています。
今週は平日から競馬漬けで、火曜水曜と川崎競馬場に参戦してきました。そんな中、水曜のJRA交流競走はダテノトライアンフで、続くクラウンカップはウインバローラスで連勝することができました。10Rは地方の今野騎手から直前で乗り替わりでしたが、前走で力があるところは分かっていた馬なので、それを発揮することができてよかったです。
メインは最近の成績がイマイチだったので11番人気という低評価でしたが、この馬も以前に乗った時に高い能力を感じていました。その後のレースVTRもみっちり観て、思い描いたイメージがあったので、それがその通りに運べたという会心のレース。以前よりも気持ちが安定していたので、馬込みに入ることもできましたしね。地方の重賞はなかなか乗れる機会すら少ないので、そのチャンスをいただけた関係者の方々に感謝しています。最高の気分で週末の競馬に臨めるので、中央でもたくさんの勝利を掴みたいところです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。