一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
体がふたつほしい日曜日
2015/4/23(木)
この土曜は福島で7鞍に騎乗します。福島牝馬Sのマイネグレヴィルは調子の変動が少ない馬なので、今回も厩舎の仕上げを信頼しています。本当は雨でも降って時計がかかる馬場が理想なのですが、どうやらそれは叶わなそう。それでも小回りの福島コースは合う馬ですから、持ち味であるしぶとさを生かして上位を狙います。6Rのサムソンズシエルは今回ダートですが、ここ2走は切れ負けした印象があってその弱点をカバーできそう。ダートで強い勝ち方をしている馬なので、改めて期待しています。7Rのマイネルプロンプトは、今の未勝利であれば能力差はありません。ポジションと立ち回り次第というところなので、引き続きチャンスです。
日曜は東京に戻って10鞍に騎乗します。フローラSのウインアキレアは、初めての2000mで折り合いに気をつけて乗れば、直線でいい脚を使ってくれそう。能力に加えてキャリアもありますので、何とか権利を取りたいと思っています。4Rのコスモカンプは使い込んでいくと気持ちが萎えてしまう馬。休み明け2走目は一番の走り頃で、1ハロン長い印象の1600mですが、折り合いひとつで頑張ってくれるでしょう。5Rのコンチャフラメンカは、堀厩舎に初めて頼んでいただけた馬。それも、かなりの素質を持っていそうなので、自ずと力が入ります。10Rのマイネオーラムは、未崎が乗った関西圏の前走が凄くいい内容。開幕週の馬場が気になるところではあるものの、ここは僕も頑張らないといけませんね。
今回は番組が重なって残念ながら騎乗できませんが、マイラーズCのマイネルホウオウの調教にはずっと乗っています。長期休養から2度使って状態は大分戻ってきました。叩き3走目で一番いいとは思いますが、無事に使っていければもっと上がありそうな感触。本当に思い入れがある馬なので、次のチャンスでまた乗りたいです。もう一頭のお手馬、マイネルメリエンダも巻き返してくるでしょう。前走はらしさがありませんでしたが、開幕馬場の京都コースはピッタリのイメージ。贅沢な悩みではあるのですが、この2頭の分まで、東京コースで結果を残したいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。