一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ダービー後に楽しみが待っています
2015/5/21(木)
気を取り直して、この土曜は東京で9鞍に騎乗します。3Rのコスモポッポは東京2100mダートがベストの舞台。ここ2走は崩れましたが、中山コースではどうしても忙しくなってしまう印象。リフレッシュできて、状態面もいいと聞いています。4Rのマイネルインプレスは、ここのところ集中して走れています。とはいえ、前走も3、4コーナーでモタついてからハミを取っている感じなので、その部分を改善させて際どい勝負まで持っていきたい。11Rのマイネルミラノは折り合ってスムーズにいきすぎてしまうと案外。行きたがるのを我慢させながら進めたほうが、馬自身の気持ちが続く感じなのです。多少で済むなら無理してでもハナに行ってしまったほうがいいのかもしれません。いずれにせよ、コースや相手関係ではなくこの馬は自分との戦い。オープンで勝つ力は十分に持っています。12Rのコスモエルデストの前走は少し気負っていたようで、珍しく出遅れてしまった分の⑥着。間隔を空けて上手く調整できているようですし、1000万でも目途は立っている馬。東京1400mがベストの馬なので、勝たせてあげたい気持ちが強いです。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。2Rのラストシンデレラは100mでも距離が短くなるのはいいですね。前走はあまりにもスムーズにハナに立ってしまったので、行く馬のすぐ後ろでタメを利かすような競馬が理想だと思っています。4Rのマイネルフレッチャはもう相手関係ひとつ。デビューからずっと乗せていただいて手の内に入れているので、本当にそろそろ勝たせてあげたいです。5Rのコスモアルマクは初めての東京2100mダートですが合っていると思います。ある程度は前目で流れに乗せて、粘り込むような競馬がしたい。乾いた馬場なら人気ほどの差はないと見ています。
いよいよ来週は日本ダービーですが、少し気が早い小ネタを書きたいと思います。今年もビッグレッドさんにはたくさんの有力2歳馬がスタンバイしており、僕もすでに騎乗が決まっている馬がいて、6月6日(土)が飯田雄厩舎のウインオスカー、14日(日)は西園厩舎のノンゼロサムを目玉として阪神競馬場で番組を組んでいます。牧場時代から背中を知っている馬のデビューということで、待ち遠しくてなりません。僕自身が関西で騎乗することもそう多くはないので、皆さんのご声援も楽しみにしています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。