一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
コスモナインボールと臨む日本ダービー
2015/5/28(木)
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。3Rのミタイナは、初出走の前走でしっかりした競馬ができています。軽い走りをするので芝は問題ないと思いますし、競馬を覚えた2戦目がいい方に向いてくれるでしょう。7Rのマイネシーアは競馬で初めて乗りますが、コスモラパンで勝たせてもらったレースの②着馬だったのでよく覚えています。その後のレースがアッサリでしたし、イメージ的には昇級でも通用する馬。かなり久々の実戦なので、後はどこまで仕上がっているかだと思います。11Rのヒメサクラは中山で1000万を勝たせてもらったのですが、凄く従順で乗りやすい馬。善臣騎手が乗って勝った前走の②着が僕で、最後は楽に突き放されてしまったのが記憶に新しいところ。その成長振りには驚かされましたし、オープンでも十分にやれてきそう。こちらも久々なので、状態面が鍵だと思います。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。今年の日本ダービーはコスモナインボールに乗せていただくことになりました。5枠9番という奇数番でゲートだけは心配ですが、そこに注意してあげれば距離自体は問題ありません。当日は雨の予報になっているので、他の馬が苦にするようならこの馬にはプラス。理想はある程度の位置で立ち回る競馬だと思っていて、出走する限りはチャンスもありますからね。どういう競馬をしたら上位に食い込めるのか馬場を見ながら考えて、とにかくいいイメージで臨むたいです。
目黒記念のマイネルメダリストはブリンカーを外した前走で兆しが見えましたね。最後はグングンと伸びていて、僕が鞍上ではなかったので驚きながら見ていました。あのように走る気さえ出してくれれば、相手関係的にも十分やれる馬です。7Rのスズトラッドは、前走がかなり上手くいったという印象。揉まれると怯んでしまうところがあるので、ある程度の位置で立ち回りつつ、ごちゃつかない競馬をさせることが好走条件です。9Rのマイネオーラムは、ここ数戦で随分と馬が成長しています。体が良くなって気持ちも集中して走れているので、引き続き差のない競馬をしてくれるでしょう。
昨年はウインフルブルームが直前の取り消しで乗れなかったダービー。今年は18頭の中で臨めることをとても光栄に思います。ただ、ひとつ心残りなのが、賞金的にギリギリで出られず、土曜の白百合Sに回ることになったマイネルシュバリエの存在。中間の調教にずっと跨っていなからも競馬には乗れないのですが、とにかく思い入れがある一頭。結果を出してほしいので応援しますし、色々と教えてきた成果がどこまで出てくれるのかも楽しみにしています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。