一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ダービーは夢の舞台でした
2015/6/4(木)
この土曜は阪神で2鞍に騎乗します。4Rのマイネルリコルドは気のいい馬かつ最後にビュンという脚を使う馬ではないので、その辺を頭に入れて平均ペースの流れを自分でつくりたいです。それがかみ合えば、上位争いできると思います。5Rのウインオスカーは2週前に話題に触れた馬。入厩してから案外時計は詰まってこないようですが、凄く軽い走りをする馬なので、力がいる栗東の坂路では目立つほど動けないのではないかと解釈。開幕週の軽い芝は合うタイプだと思いますし、牧場で乗ったいい感触のままレースに臨みたいです。
日曜は東京に戻って5鞍に騎乗します。 3Rのウインアシュリンは前走でダートの感触は掴みました。切れるというイメージの馬ではないので、2100mでしぶとい脚を使わせてあげたいです。6Rのマイネルフレッチャはもう何とか勝たせたい。レース間隔が短いことは承知ですが、この舞台は間違いなくベストの馬です。9Rのコスモボアソルテは、初芝の前走の感触は悪くありませんでした。土曜の雨で馬場が少し重たくなるようなら着順も上がるかもしれません。10Rのマイネルディアベルは二階級の降級。トップハンデの57.5キロを背負うので、斤量との戦いになります。だいぶ相手関係は違うと思いますが、楽な条件とは言い切れません。
今週の月曜は休日返上で盛岡まで遠征しましたが、カシオペア賞のマイネヴァリエンテで勝つことができました。中央と合わせても久々の勝利だったのでかなりホッとしました。勢いそのまま水曜は大井の東京ダービーにウインバローラスで臨んで結果は⑤着。馬にとって厳しい流れと展開でしたが、最後まで必死に踏ん張ってくれました。今年は日本ダービーのみならず、地方のダービーにまで乗せていただいて本当に光栄です。どちらの雰囲気も最高でしたし、いつかはあの舞台で勝てるように精進します。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。