一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
期待の新馬が続々デビュー
2015/6/18(木)
この土曜は東京で9鞍に騎乗します。少し話題に触れていた5R(2歳新馬)のマイネルリプケンは、先週しっかり追った効果で気が入って、今週自分は乗らなかったのですが、キッチリ仕上げていただけたようです。荒削りな部分が残っているものの、その気持ちをコントロールして走らせてあげられれば、いきなり走れる能力は持っています。8Rのラズライトブルーは、前走が地方からの戻りだったのですが、緒戦としては流れに乗れて差のない競馬をしてくれました。とはいえ戸惑っていた部分もあったので、慣れが期待できるところです。11Rのコスモユッカは長期休養明けからの2戦目でどこまで良くなっているか。どちらかと言えばしぶとさを活かせる競馬場向きなのですが、3度も勝たせてもらってよく分かっている馬なので、上手く乗れればチャンスはあると思っています。
日曜も東京で10鞍に騎乗します。ユニコーンSのマイネルオフィールは、昇級してから苦戦しているものの、重賞でも通用する力を持っていると僕は思っています。東京マイルなら競馬がしやすそうなので、思い切った騎乗をして力をフルに発揮させてあげたい。2Rのミタイナは、期待していた芝のレースが突っ張って走ってしまって案外。ダートと距離短縮で巻き返したい一戦です。
5R(2歳新馬)のマイネルツィールも先週話題に上げた一頭。今週の追い切りにも乗せていただきましたが、大分いい動きをしています。気が弱くて、併せ馬では相手を気にして怯むような面もあるのですが、それを知っているのはプラスだと捉えて頑張ります。7Rのモルーアも2週続けて追い切りに乗せていただきましたが、かなりいいモノを持っています。今回は昇級かつ休み明けなので、力試しという要素もありますが、いきなり目途を立ててくれませんか。10Rのマイネルテンクウは休み明け3走目で条件ベストの2400m。前走も0秒4差と着順(⑦着)ほど負けていませんし、そろそろ結果を出したい馬なので改めて期待しています。
ダービーが終わり、続々と2歳馬もデビューし、自分にとって試練の東京開催も残すところあと2週。結果を残して締めくくりたいと思っていますが、その後には大好きな夏の福島開催が控えています。もちろん今年も主戦場にする予定で、続く8月は新潟開催が中心の番組になります。夏競馬も一戦一戦力を込めて乗っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。