一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
気持ち良く締め括りたい東京最終週
2015/6/25(木)
同じく新馬のマイネルリプケン(3人気③着)も頑張ってくれました。初戦なのでハミを取ったり取らなかったり戸惑っているところがあって、競馬を覚えてくればガラっと変わりそうな雰囲気。相手も揃っていたようですし、慣れが見込める2戦目は当然の期待です。ユニコーンSのマイネルオフィール(16人気⑦着)は、やっぱり能力がある馬ですね。まだ気持ちと体がかみ合っておらず幼い部分もあるので、経験を積んで揉まれていけば、オープンでも十分に戦えるようになるでしょう。
最終週の土曜は東京で11鞍に騎乗します。1Rのマイネルツィールは、気持ちがガツガツしている馬ではないので連闘は問題ありません。先週はかなり忙しい印象だったので、距離が延びるのは歓迎ですし、使った上積みも期待できます。3Rのローレルロケッツの前走は、初めての左回りで内枠が堪えたのかなというのが外から見た感想。スムーズに流れに乗せて、気分良く走らせられれば勝つ力はある馬です。5R(2歳新馬)のマイネルデュエルは素質を感じるものの、使いつつ良くなっていきそうなイメージ。とはいえ、調教で感触は得ているので、どこまで頑張ってくれるのか楽しみです。6Rのマイネルカレッツァは、ひと叩きされた後の前走で随分内容が良くなりましたね。道悪になった時の心配はありますが、勝つ力はある馬なので東京のうちに結果を出したいです。
9Rのエターナルヒーローも、このクラスを勝つのに後一歩のところまで来ています。今回は降級馬がいて相手も揃っているようですが、3度目の騎乗で詰めの甘さをカバーするような立ち回りができれば。10Rのマイネオーラムは反対に降級する立場。ハンデ戦ではありますが、力を示してほしいところ。大分、集中して走れるようになっています。12Rのコスモドームも降級馬。この馬のポイントはスタートにつきます。気をつけてゲートさえ出してあげれば1000万で好走してきた力を見せてくれるはず。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。6Rのコスモポッポは休み明け3走目で順調に良化しているはず。東京2100mがベストの馬なので、ここで勝たせてあげたい。9Rのマイネルシャルフは降級に加え、最終週かつ渋った馬場が合いそうなタイプ。初めての2400mもプラスに向いてくれませんか。11Rのエールブリーズは、流れが遅くて窮屈な競馬になった京王杯SCでも⑦着。東京1400mは一番合っていますし、凄く力がある馬という手応えがありましたので、チャンスをモノにしたい一戦。これだけの関西馬に続けて乗せていただけるのですから有難いです。12Rのサンタナブルーは、展開が向いてほしい部分もありますが、一脚使わせるイメージで乗れれば上位進出もありそう。新馬から乗っている馬でもあるので、東京開催の締めくくりにいい騎乗をしたいです。
今週は休日の月曜に奥日光の温泉まで行ってきました。その帰りに立ち寄ったのが華厳の滝。何度も行ったことがある自分にとってのパワースポットで、ちょうど梅雨の時期で水の量が多く、かなりの迫力がありました。これにて東京開催も乗り切れるはずで、来週からは待ちに待った夏の福島開催。メインとなるラジオNIKKEI賞はマイネルシュバリエに乗る予定で、明日からつける調教の感触などをまた来週の話題にさせていただきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。