![柴田大知](/img/column/daichi/tit_daichi.jpg?=v1)
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
通算300勝に乗せたい2日間
2015/7/16(木)
![](https://www-f.keibalab.jp/img/upload/daichi/201507/150716_daichi.jpg?1457762321)
この土曜は福島で9鞍に騎乗します。1Rのピキーヨは、初戦の返し馬でいい感触がありましたし、思っていた以上に頑張ってくれました。周りに気を使って走るところがあるので、揉まれない位置取りを心掛けます。5R(2歳新馬)のコスモレティクルムは、水曜の追い切りでまだ非力な部分を感じました。それでも素質はありそうなのでいきなり走れて驚けませんが、一度使えばグンと良化しそうな雰囲気です。6R(2歳新馬)のハーモニーエールは、1150mが鍵になりそうですが、素直で気性が前向きなのでこなしてくれませんか。ゆったり走るフットワークなので、距離が延びても対応できそうです。
9Rのグレンデールの前走は、軽量の2頭に先着されてしまいましたが、やはり福島1200mは一番合っています。500万の力関係であれば負けられないくらいの気持ちです。11Rのマイネルバウンスはコース取りにつきると思います。準オープンでは外を回すと難しいので、上手く内に入れて、それを捌けるかどうかがポイント。どんな展開でも前半はついて行きづらいので、特に枠順は気になりません。
日曜も福島で9鞍に騎乗します。1Rのマイネルテイルの前走は、調教のイメージ以上に頑張ってくれました。一度使った上積みで前進を期待しています。3Rのコスモカンプは今回が初ダート。適性が鍵ですが、揉まれない位置で砂を被らずに進めれば、パワフルな走りをするので向く可能性が高いと思っています。未勝利では能力が上の馬なので、そろそろ勝ちたいところ。8Rのコスモラパンは、1200mは少し忙しいのですが、道悪でも大丈夫という強み。前走内容も良かったので、上手く流れに乗れればチャンスです。
9Rのウインインスパイアは、とにかく安定している馬。転厩緒戦で初騎乗ではありますが、従来の力を出せれば今回も勝ち負けでしょう。11Rのカハラビスティーは52キロが魅力ですし、福島コースもピッタリというイメージ。この条件ならオープンでも崩れないはずです。
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今週の月火は予定していたとおり、セレクトセールにお邪魔してきました。これまであまりセリには行ったことがなくて、前回行ったのもいつのセリだったか思い出せないほど……。まずは普段からお世話になっている方々にご挨拶させていただき、その後は岡田繁幸社長の横で一連の流れを見ながら勉強させてもらいました。丸二日間、全ての馬を真剣に見定めているその姿を見て、乗る側としてもっともっと頑張らないといけないなと気が引き締まりました。たくさんの血統馬を目に触れたはずなのですが、ジョッキー目線としては、やっぱり乗ってみないと分からないというのが本音。それでも、競馬とは違った意味でピリピリとした雰囲気を感じましたし、その夢を託される責任は本当に重大だなと思いました。携わる皆様に伝わるよう、とにかく結果を残していきたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。