一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
阪神JFはペルソナリテに騎乗
2015/12/10(木)
お知らせしていたとおり、この土曜は阪神で9鞍に騎乗します。チャレンジCのマイネルミラノは中間に自分は乗っていませんが、順調にきていると聞いています。状態面は安定していて、どちらかというと気持ちひとつのタイプ。新潟記念で②着だった時なんかは返し馬の気合乗りが抜群だったんです。直前の気配が重要なのでファン泣かせの馬かもしれませんが、土曜は馬場が緩くなりそうなので、その辺りはプラスだと思っています。
1Rのアイルーロスは、2戦目の前走で雰囲気と内容がとても良くなりました。1800mに距離が延びるのもプラスに向くはずで、更なる前進に期待しています。8Rのマイネルネーベルは中山で一度乗ったことがあり、走りの良さは感じたものの、当時は馬の気持ちがなかったという印象。輸送が短い関西圏で気持ちと体がかみ合えば、十分にやれていいと思っています。昇級になる10Rのマイネルアウラートの前走は、当コラムにも書いたように凄く良くなっていました。仕上がっていた後の中1週なので阪神までの輸送が鍵になるのではないでしょうか。相手なりに頑張ってくれる馬なので、状態次第でヒケは取らないはずです。
日曜も阪神で9鞍に騎乗します。阪神ジュベナイルFのペルソナリテは先週も書いたようにしっかりと仕上がっています。休み明けで挑むG1になるものの、体がある馬ではないので、夏から無理に使わなかったこともむしろプラスに出てくれるのではないでしょうか。今週は跨っていませんが順調と聞いていますし、1週前追い切りまでで十分に感触を得ています。狭い所に入れる自在性もありますし、上手くロスのない競馬ができれば実績がある馬たちと互角以上に渡り合えるはず。
3Rのブリオは小倉で乗せていただいたことがあって、イレ込みがきつかったことを覚えています。落ち着いて競馬に臨むことができれば十分にチャンスがある馬。当日の気配が重要になりますね。10Rのマイネルアイザックは、休み明けを叩かれての上積みが大きそう。関西馬ながらも機会があれば乗せていただいているので、特徴は心得ています。手頃な頭数のハンデ戦なので、条件的にも変わってくれるでしょう。今週は初めて乗せていただく馬も多く、週末までにより研究していいイメージをつくっておきたいです。
今週は休日に築地市場の磯野家さんに行ってきました。大将が競馬好きの方で、以前からちょくちょく行かせてもらっていて、競馬ラボのコラム(ホースマンDays)で佐々木力さんが載せていたのも偶然に拝見したことがあります。とても美味しいお店なので、豊洲への移転前に、皆さんも是非足を運んでみてください。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。