一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
皐月賞はミライヘノツバサに騎乗
2016/4/14(木)
この土曜は中山で10鞍に騎乗します。1Rのライラックチャームは中間の追い切りにもずっと乗っています。まだ甘さはあるものの、除々に良くなっていることは間違いありません。一歩前進に期待したいところです。2Rのミラクルバイオは立ち回りが上手くなっており、ここ2走は相手が悪かったのかなという競馬。このタイミングでまた乗せていただけるので、もちろん勝ちたい一戦です。3Rのグットドディユは成績どおりにあとひとふん張り。いつも一生懸命走ってくれるので、とにかくロスのない競馬をしてあげたい。4Rのスカーミッシャーは自分から走ろうという気持ちが足りないため、前走はかなりしっかり追いました。凄くいい馬なので、ヤル気さえ出てくれば前進があってもおかしくありません。
7Rのピンクシャドウは、前走で理想の逃げができました。あまり時計が速くなると分が悪いので、乾いた馬場で自分の競馬ができればまた頑張ってくれそうです。9Rのウインテンダネスは、前走は内で包まれてスムーズな競馬ができませんでした。そこで渋太い脚を使える印象を受けたので、好位で流れに乗せて今度は持ち味を出してあげたい。再昇級となる12Rのマイネルボルソーは、いかにロスなく立ち回れるかが鍵。以前は1000万で苦戦しましたが、キャリアを活かした競馬を心掛けます。
日曜も中山で10鞍に騎乗します。皐月賞はミライヘノツバサに乗せていただけることになりました。中1週なので控えめの追い切りでしたが、凄く背中のいい馬で動きは抜群でした。相手は凄く強いのですが、日曜は天気も崩れそうですし、中山で堅実な実績がある馬。出るからにはひとつでも上の着順を目指します。1Rのマチャプチャレは、体質の強化とともに少しずつ内容が良くなってきました。前進できると思いますし、近いタイミングで勝利を期待しています。2Rのマイネルシュタットは、2走前が内で動くに動けずの不完全燃焼。今回は馬群を捌いて着順を上げるイメージで乗ります。4Rのアンナノヒカリは非力な面があるのに、ダートの初戦では真面目に頑張っていました。この芝替わりはいいほうに向いてくれませんか。競馬に慣れて幼さが改善されていけば、そう遠くないうちにチャンスがありそうです。
5Rのマイネルトゥランは、ここ2走が外枠で前に壁をつくれずに苦戦しました。それでも大崩れせずに頑張れていますし、内目の枠でも引いて、前半力まずにタメられればチャンスがありそう。7Rのマイネルライヒは、前走は勝ち馬が強かった。中山コースでもやれる感触を掴めましたし、相手ひとつという段階まできています。9Rのマイネルシュバリエは、その時々によってテンションが違う馬ですがようは折り合いひとつ。2走前の2000mが勝ちパターンなので、そのイメージを持ってそろそろ勝たせてあげたい。12Rのマイネルメリエンダは何ともお馴染みのトップハンデ。いつも堅実に走ってくれるものの、馬場が悪いと踏ん張りが利かないところがあるんです。皐月賞の希望とは相反しますが、この馬は良馬場に越したことはありません。
久々の福島遠征は菜七子ちゃんフィーバーで凄い盛り上がりでした。1Rからパドックは人だかりでしたし、前述6Rで自分は気まずい思いをしたものの(笑)、9Rで菜七子騎手もやっと勝ててプレッシャーから解放されたのはないでしょうか。しかし、直後のウィナーズサークルは人が何段にも溢れかえって見た事もないような光景でした……。菜七子ちゃんとは鞍置き場が隣で、自分とエージェントも一緒なんです。中央で1勝したことによって落ちついて乗れるでしょうし、接点が少なくないだけに、求められればアドバイスしながらも切磋琢磨していきたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。