一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
お見舞い申し上げます
2016/4/21(木)
先週はピンクシャドウ(2人気)で勝つことができました。前走から状態がまた良くなっていましたし、厩舎でしっかりやっていただいたゲート練習の成果が出ました。あの好スタートから自分の競馬ができればクラスが上がっても楽しみですね。マイネルメリエンダ(6人気②着)はもう少しだった……。ハンデ差を考えらたらこれしかないという競馬はできたのですが、相手あっての結果なので仕方ありません。皐月賞のミライヘノツバサ(11人気⑫着)はゲートの中で落ち着かず好スタートではありませんでしたが、ペースを思えば位置取りは悪くなかったと思います。馬は頑張っていますが、メンバー的に反応しきれなかったという印象。まだまだ良くなりそうなので、大舞台を経験したことがステップアップに繋がってくれるでしょう。乗っていて不思議な感覚に陥るほど風の影響もあったレースでした。
今週は開催場が替わり、土曜は東京で7鞍に騎乗します。2Rのコウソクラインは意外にも今回が初コース。右回りの中山ではコーナーでもたつく面があり、勝ちにいって甘くなるという競馬続き。却ってワンターンで直線が長いコースがいいほうに向いてくれませんか。何としても決めたい一戦であることに違いはありません。3Rのサマニーは、デビュー戦で「使った次は良くなりそう」という感触がありました。自分が乗っていない前走は案外でしたが、東京コースに戻って前進を期待しています。7Rのハッピーサークルは牝馬限定のこの舞台がまさにベスト。馬に合ったスムーズな追い出しができれば、2走前のようにしぶとい脚を使ってくれるはず。フローラS除外で再投票した9Rのパラノーマルも広い東京コースのほうが良さそう。中山ではどうしても忙しくて馬のリズムが悪かったのですが、未勝利を勝った新潟の時を思えばもっと走れるはず。11Rのメイショウワコンの前走⑪着は、昇級かつ久々だった分ではないでしょうか。使った上積みさえあれば、相手なりに走ってくれそうなイメージはあります。
日曜も東京で6鞍に騎乗します。2Rのマイネルセイヴァーは、いい面を探りながらという段階。慣れてくれば変わりそうな雰囲気を持っている馬です。同じことが5Rのクアルティエーレにも言えます。前走の初ダートは案外でしたが、芝に戻ってそろそろ前進がありませんか。9Rのマイネルイルミナルは毎回堅実に頑張ってくれます。開幕週の馬場はどうかというタイプではありますが、コース替わりで前2走以上の踏ん張りに期待したいところ。10Rのプロトコルはずっと調教に乗せていただいています。好感触を得ていますし、今回は間違いなくベストと言える舞台。自分の中で前走の敗因は明確なので、巻き返しに力が入ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。