一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
NHKマイルCはペルソナリテに騎乗
2016/5/5(木)
一方、青葉賞のマイネルハニー(7人気⑧着)は間隔が空いた分なのか、返し馬からかなり燃えていました。遅くないペースでも後ろから一頭付いてきたので足音に反応してしまって、なかなかハミが抜けませんでした。一度使ったことで落ち着いてくれれば、もう少しタメが利くとは思うのですが……。天皇賞(春)のマイネルメダリスト(18人気⑯着)は流れが遅かったこともあって、いい位置には付けられたと思います。それでも最初から最後まで内にササりっぱなしで、それを直すのに苦労しながらの競馬。ここに来るまで頑張ってきたので、目に見えない疲れが蓄積していたのかもしれません。
この土曜は東京で11鞍に騎乗します。2Rのゴーストノートは着実に状態も内容も良化中。ジワッと脚を使わせられる東京の長い直線、2100mも合うと思いますので更なる前進に期待。4Rのスカーミッシャーは大分集中して走れるようになってきました。自分からハミを取ってくれることに期待しつつ、今回も気を抜かせないように走らせます。7Rのマイネルカレッツァは馬体重が示すように輸送が堪えたのかもしれません。当日の馬体重と落ち着きが鍵ですね。テンションを保てているようならコースも合うので巻き返せるはず。9Rのマイネルディアベルは東京1400mがピッタリで、休養明けの分が良い方に向けば頑張ってくれそう。この馬も当日の気配がポイントではないでしょうか。
10Rのマイネオーラムは前走も勝ちに等しい内容で頑張っています。2400mは1ハロン微妙な雰囲気もあるのですが、その分はハンデ53キロでカバーするような乗り方をしたい。プリンシパルSのマイネルラフレシアは一度放牧に出て、立て直しました。1週前追い切りに乗せていただいて動きは抜群。ここ2戦は右回りのせいなのか案外の結果でしたが、勝っている左回りに戻って巻き返しに期待。こんなはずではないので、改めて権利を勝ち取りたい一戦です。12Rのピンクシャドウは昇級緒戦で同型との兼ね合いがポイント。東京コースでも頑張れていますし、今の状態で自分のレースができればそう差はないはずです。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。NHKマイルCのペルソナリテですが、中間の状態面は申し分なく今回こそプラス体重で出られると見ています。脚をタメて末脚を活かすことに重点を置きたいと思っているので、少しでもかみ合う流れになってほしい。一連の結果からも、中途半端な競馬はしたくありません。1Rのライラックチャームは一戦毎に力を付けていて、とりわけ前走内容が良かった。初の東京コースでも頑張ってくれると思います。3Rのアオアクアは、前走と同じ条件で走れるのが大きい。少しずつ前進しているので、今回は掲示板がありませんか。
7Rのインスタイルの前走はいい位置で競馬できましたが、手応えの割に追ってからがもうひとつ。とはいえ、乗り味が凄く良い馬なので、スムーズなレースを心掛けて着順を上げたいところ。8Rのヘイローフォンテンは今回芝ですが、芝ダートというよりも気分次第の馬。むしろ砂を被る心配をしなくていいので、少頭数で気持ち良く走らせてあげられれば通用すると思います。10Rのマイネルバウンスは、前走が持ち味である行きっぷりの良さがなく連戦の疲れを感じました。間隔を空けてリフレッシュできたとなれば、オープンでももっと走れるはず。ハンデの54キロもいいと思うので、コース替わりと相まって期待しています。
先週日曜は京都に一泊して月曜はお寺を回ってから帰ってきました。谷間の平日とはいえゴールデンウィーク真っ只中で、外国人観光客などを中心に物凄い混雑。更には今年一番の暑さでゆっくり巡ることはできませんでしたが、やっぱり京都はいい場所ですね。火曜からは平常運転だったので、少しでもGW感を味わえたことが何よりの収穫でした。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。