一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週もベストを尽くします
2016/5/12(木)
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。1Rのカシノクロエの前走は、ダート云々よりも距離が忙しかったという印象。1ハロン延長で再度の牝馬限定戦なら前進が見込めます。4Rのスワンナプームは、立ち回りひとつでチャンスという段階。内目の枠が希望で、ある程度は前々で流れに乗りたいと思います。9Rのウインテンダネスは、2走続けての中山でいい競馬ができました。慣れたタイミングで東京に替わるのは鍵ですが、モマれない頭数で力を出せればいいところまで来れると思います。
日曜も東京で8鞍に騎乗します。3Rのアオアクアの前走はスムーズに追い出せなかった部分がありました。連闘になるので、状態面がキープできていれば今度は差がないはず。4Rのコスモレティクルムは、いつ勝ってもおかしくない能力がある馬。とりわけ東京コースでは脚の使い所ひとつだと思いますので、細かい部分に気をつけて乗りたい。6Rのマイネルパッセは、前走もしっかり追い込んで③着と内容のある競馬をしていましたね。少しムキになるところがあるようなので、前半から上手く流れに乗せてあげたい。1ハロン延長には対応してくれるイメージです。
8Rのコスモラパンは瞬発力勝負になると分が悪いので、この馬のリズムで競馬をつくってあげたい。他馬との兼ね合いと言いますか、前半の展開が鍵を握りそうです。9Rのコスモメリーは、厩舎のスタッフさんから充実しているという話を聞きました。乗るのは1年4ヶ月ぶりですが、その成長を楽しみにしています。10Rのマイネルビクトリーは調教駆けしないものの、競馬に行くと根性を見せてくれます。器用に立ち回るタイプなのでコース替わりは鍵ですが、昇級でも通用するだけの力はあると思います。
今年は5月初旬で20勝超えと、自分としてはまずまずのペース。以前は平日から追い込むようなトレーニングもしていたのですが、夕方のランニング(20分程度)を中心にして、週末によりベストな状態へと持っていくことを心掛けるようにしました。トレーナーさんにも体のケアを中心に考えてもらっています。とはいえ、調教にできるだけ多く乗るようにしていますし、地方交流戦に乗るとまたリズムが良くなります。目標としている年間60勝に到達できるようにペースを落とさずいきたいですね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。