一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
エプソムCはマイネルミラノに騎乗
2016/6/9(木)
この土曜は東京で5鞍に騎乗します。5Rのコスモローイエット(2歳新馬)は先週乗せていただいて、体の使い方を覚えされる意味でしっかり追いました。その効果か、今週はよく動けていたとお聞ききしたので、現段階でどこまで頑張れるか楽しみです。6Rのマイネルツィールは、前走が勝ちに等しい内容の②着。東京コースでも上手な競馬をしてくれたので、何としても勝たせてあげたい一戦です。10Rのマイネルビクトリーの前走は、3歳馬同士とはいえ相手が強かった。芝スタートでダッシュがつかず、結果として1600mは忙しかったかもしれません。ダートスタートの2100mかつ自己条件と好転するので前進に期待しています。11Rのワンダーコロアールは、昨年同レースで乗せていただいて⑩着。当時はスタートが悪かったせいか、道中の手応えの割に追って伸びなかったという印象。近走を見ても先団からしぶとさを活かす競馬が良さそうなので、持ち味を発揮させるような乗り方を心掛けます。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。エプソムCのマイネルミラノは2週続けて追い切りに乗せていただきましたが、かなり順調にきています。自分からハミを取って走る気を見せており、心身共に申し分のない状態。先行、できればハナに行ってこの馬の持ち味を活かしたい。東京1800mも現状ベストの舞台だと思います。4Rのヴァイオリニストは集中力が途切れてしまう部分が弱点。もう少し走れそうな雰囲気はあるので、休み明けのリフレッシュ効果に期待したいところ。
先週話題にさせていただいた5Rのマイネルクラース(2歳新馬)は、今週の追い切りもなかなかの動き。かなりしっかりと乗り込んで力は出せそうな態勢です。ただ、ゲートがあまり速くないので、金曜朝にもう一度練習させてもらいます。奥があって、使えばさらに良くなっていきそうなので、初戦で結果が出なかった場合でも悲観する必要はないと思っています。6Rのワインアンドダイン(2歳新馬)は小柄な牝馬で仕上がり良好。追い切りもサーッと動いてしまうタイプ。気性的には新馬向きも、輸送などで馬体を維持できるかどうかが課題です。7Rのダッシングブルーの前走は、地方から戻って馬は大分良くなっていた印象。1600mでは行きっぷりが良すぎたので、距離を詰める分で前進がありませんか。
話は変わり、大井競馬場の東京ダービーでは、地方移籍前に自分が乗せていただいたバルダッサーレが7馬身差の圧勝。前走も追い出してからの一完歩ずつがダイナミックで、凄い馬力に驚いたんです。移籍してからも関係者の評判が良いとは聞いていましたが、想像していた以上に強かった……。地方とのレベル差もあるのかもしれませんが、力がないとあれだけの競馬はできません。賞金的にレパードSなどは使えるはずですし、地方交流でも中央再挑戦でも、機会があればまた是非乗せていただきたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。