一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ユニコーンSはマイネルバサラに騎乗
2016/6/16(木)
この土曜は東京で7鞍に騎乗します。1Rのコスモローイエットの初戦は体に余裕があって馬も泣きっぱなし。レースに集中できていなかったため、ダメージはなかったはず。連闘は問題ないと思うので、2走目の前進に期待しています。2Rのリュイールスターは、ずっと崩れずに頑張ってくれています。牝馬限定戦とはいえ強そうな馬もいるので、とにかく立ち回りの上手さを活かしたい。7Rのマイネルトゥランは前走の時計が優秀ですよね。降級馬との力関係が鍵ですが、前半の折り合いに気をつけて乗れれば差はないはず。
8Rのサンダーバトルは、以前に乗せていただいた時と近走のイメージが違ってきている印象です。昇級緒戦とはいえ、3歳牝馬の斤量52キロを活かして上位に食い込みたい。9Rのシンボリネルソンは、思っていたとおりに芝の前走で変わってくれました。一生懸命に走ってくれますし、頭数的にもいい競馬をしてくれるはず。10Rのラッフォルツァートは降級で今回の舞台となれば力が入ります。イメージ的に久々も合いそうなので、地力の違いを見せてくれませんか。11Rのマイネオーラムは、前走の2400mは若干長かったかもしれません。間隔を空けた時のほうが気分良く走ってくれるので、距離短縮と相まって前進に期待しています。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。ユニコーンSのマイネルバサラは、前走が示すとおり相手なりに頑張ってくれる馬。さすがに何頭か強い馬もいますが、上手に立ち回れれば今回も人気ほど差はないはずです。2Rのコウソクラインは距離が延びて馬の気持ちだけですね。追走は楽になるので、集中力を途切れさせないように気をつけて乗ります。3Rのベルフラワーは一戦毎に内容が良くなってきました。前半行き脚がつかないので展開は鍵になるものの、まだ前進が見込めます。
4Rのオートシャンティは一連の内容から1400mが一番合っているイメージ。もう少し短いと忙しいので、番組的にも決めておきたいところです。5Rのピンキージョーンズ(2歳新馬)は2週続けて追い切りに乗っていますが、走りが軽くて動きがとても機敏。仕上がりは申し分ありません。併せ馬で隣を抜くと気を抜く面があるので、その辺りがかみ合う展開ならいい競馬になりそうです。9Rのマイネルサージュは勝って同条件の降級馬。前走は掛かり気味であれだけの脚を使うのですから力があります。折り合いに気をつけて道中フワッと走らせられれば能力の違いを見せられるはず。12Rのホワイトウインドも降級馬。状態も良いと聞いていますので、500万なら力の違いを示したいところです。
交流ではないのでレースに騎乗したわけではないのですが、今日(16日)は川崎競馬の若草特別(JRA認定)で岡田繁幸さん名義のトラスト(河津厩舎)というスクリーンヒーロー産駒が大差で圧勝しました。これによって中央に参戦できることになり、次走からは自分が乗せていただく予定になっています。デビュー前に牧場で乗った頃から物凄い動きをしており、プレイアンドリアルと比較してもまるで遜色がないという逸材。あの馬とは志半ばでG1を勝つことができなかった、ダービーに出走することができなかったので、果たせなかった夢を叶えたいと思っています。中央に出走する際はこのコラムで改めてお知らせしますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。