一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
気持ちよく締めくくりたい東京最終週
2016/6/23(木)
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。1Rのワインアンドダインは、本数の割に初戦から仕上がっていました。気のいいタイプでしっかり走ってくれましたし、体さえ維持できていれば慣れも相まって前進してくれるはず。5R(2歳新馬)のテソーロは力が入る依頼ですね。こういった所でチャンスを活かせるよう、しっかり乗ってきます。9Rのスケロクの前走は、2番手の競馬で力んで走っていました。ハミを抜けて走れれば、もう少し上位に来れてもという感触があります。かえってハナに行ったほうが、いい意味でフワッと走れるのかもしれません。11Rのコスタアレグレは、一緒のレースを走っていて常に先行しているイメージがあります。上手く最後にもう一脚を使わせるような競馬ができればいいですね。12Rのコスモラパンは、ここ2戦とも自分の時計では走っています。内で脚をタメられないと決め手には欠けるので、上手く潜り込めるような枠がほしいです。
日曜も東京で12鞍に騎乗します。3Rのガイセリックに乗った初戦は、まだ気持ちも体もついてきてないという感じでした。厩舎より「当時とは全然違う」と聞いていますし、雰囲気からも前進があっていい馬だと思います。6Rのシゲルマンタは、距離を短縮してから追い込んでいい競馬をしていますね。3キロ減からの乗り替わりなので力が入りますし、以前に乗った時とは違ったイメージで臨みたい。9Rのマイネルカレッツァは、東京の一番合っている舞台で降級。1000万でも頑張ってくれた馬なので力が入ります。10Rのウインヴォイジャーは、モマれずに競馬できるかどうかが全て。スムーズに立ち回れれば1000万でも勝ち負けできる馬。1400mなら前に行けると思いますし、願わくば外枠なら心配事が軽減されますね。11Rのマイネルアウラートは、先週の追い切りに乗せていただいてかなりビシッとやりました。4ヶ月振りで少し重たい雰囲気もありましたが、あれによってイイ具合になってくれたはず。今回はオープン特別ですし、メインを勝って締めくくれたら最高ですね。
ウインクバックの調教後に水野師と打ち合わせ
ロングランだった春の東京開催も今週がラスト。例年は苦戦する開催で、モヤモヤしながら夏競馬に替わることも少なくなかったのですが、今年は勝ち鞍も競馬の内容も悪くなかったと思います。この流れを大好きな福島競馬に繋げられるように、最終週も精一杯頑張ります。開幕週に先駆けては、今週乗せていただいたウインクバックという2歳新馬の動きが良かった。期待しているアイルハヴアナザー産駒で、万全の態勢にてデビューを迎えられそうです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。