一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
セントライト記念はキークラッカーに騎乗
2016/9/15(木)
中山開幕週はスワンナプーム(3人気)の②着が最高着順。いわゆるスーパー未勝利で何とか勝たせてあげたかったのですが、相手が1頭強かった……。今後は地方に転厩して中央に戻ってくる予定なので、500万でまたチャンスをいただければと思います。紫苑Sのゲッカコウ(11人気⑮着)はスタートが良すぎるくらいだったので内枠も相まってハナへ。馬場を考えても悪くないペースだったはずですが、久々のせいか思っていたよりも粘りがありませんでした。次走は使ったことによる変わり身を期待したいところです。
この土曜は中山で8鞍に騎乗します。2Rのプーカローズは、前走は少し距離が長かったという印象。1600mに戻るのは歓迎で、中山コースも合うのではないでしょうか。3戦目で特徴も掴めており楽しみにしています。6R(2歳新馬)のハルネセジールは先週の追い切りに乗せていただきました。その時点では「もう少しかな」という印象でしたが、僕が別の馬に乗って併せた今週の動きはなかなかのもの。真面目で一生懸命に走るので、ゲートさえ互角に出せれば頑張ってくれそうです。
7Rのコスモボアソルテは、降級2戦目の前走はこの馬らしさが出ていました。500万では力が上のはずなので、馬の集中力を途切れさせないように乗りたいです。8Rのラペルトワは、昇級緒戦かつ2000mだった前走は距離が忙しいように見えました。2500mに延びるのはいいと思うので、クラス2戦目の前進に期待しています。9Rのコスモナインボールの前走は、昨年の日本ダービー以来の休み明け。叩いて、先週の追い切りでは動きが良かったので、ハンデ56キロでも今回の条件なら力が入ります。
日曜も中山で8鞍に騎乗します。セントライト記念のキークラッカーは今週の追い切りに乗せていただきましたが、未勝利で騎乗した時よりもかなり馬がしっかりしてきました。行きたい馬もいそうですが、仮に番手でも自分のリズムで走れればしぶとく頑張ってくれそうなイメージ。出るからにはもちろん菊花賞の出走権を意識します。1Rのマイネルレンカは距離が延びてダートに替わるのもプラスなはず。初戦から感触を得ていた馬なので、追走が楽になる条件で大きく変わってくれませんか。2Rのマイネルクロニクルはしっかりやった今週の追い切りが元気一杯。使った分の上積みで前進を見込んでいます。
6Rのクードヴァンは初戦から期待されていた良血ですが、なかなか勝てずにここまで来てしまいました。先週に悔しい思いをしましたし、もうひと押し利かせられる乗り方を心掛けて頑張ります。7Rのコスモキーマンは息遣いに不安もある馬ですが、今週の追い切りの感じは凄く良かった。降級2戦目で、最後まで走り切れればチャンスはありそうです。10Rのマイネルジェイドは⑧着だったとはいえ、休み明けの前走でなかなかの手応えがありました。使った分の上積みと中山コースで前進を見込んでいます。久々に乗せていただく12Rのクラシックマークは、前2走の内容が悪くありません。少し時計が掛かって展開が向いてくれれば、それ程の差はなさそうというイメージです。
今週の休日は三郷にあるROUND1(スポッチャ)に家族で行ってきました。卓球やバスケなど、様々なスポーツを一日中楽しんでクタクタ。競馬とランニング以外で体を動かすのもいいものですね。初めて行ってみましたが、案外、癖になりそうです。競馬の話題に戻りますが、来週のオールカマーはメルボルンCを目指しているカレンミロティックに乗せていただくことになりました。僕自身も初めてになる栗東トレセンの追い切りに乗りに行く予定。レースと合わせて本当に楽しみで、次回の更新はネタに事欠きません。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。