一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
根岸Sはノボバカラに騎乗
2017/1/26(木)
先週は②着が4回あったものの勝ち切ることはできず。それぞれ収穫は掴めており、中でもコスモドーム(8人気)はスタートのリカバリーが上手くいって、あの馬の良さを引き出すことができたのですが……。明け6歳でも力をつけているので、今年はオープンを勝たせてあげたい。アメリカJCCのマイネルフロスト(13人気⑪着)は体の雰囲気や状態はとても良く感じたのですが、4角のここからという所で手応えがなくなってしまいました。距離や戦法を大きく変えてみるなど、刺激になるようなことをやってみたほうがいいのかもしれません。また機会をいただければ、キッカケになるような乗り方を考えたいです。
開幕週の土曜は東京で8鞍に騎乗します。2Rのマイネルストラトスは、あまり時計が速いと厳しくなるので、今週の乾いたダートは合いそう。どうしても後ろからの競馬になるので、展開も向いてほしいところです。4Rのマイネルクラースは素質を感じる馬なのですが、休養前は上手く体を使えていなかったという印象。2400mは合いそうですし、休養を経てどこまで良くなっているか楽しみにしています。5Rのウインクバックはいつも書いているのですが、体調の変動が少ない馬。カイバ食いが良くて常に安定した状態なので、走り慣れた1800mかつ牝馬限定戦であとひと押しが利きませんか。6Rのピアシングステアは2走前に乗っていたこともあり、前走を注目して見ていましたがスタートが悔やまれる一戦でした。2100mは合いそうですし、流れに乗せられるイメージがあるので頑張りたい。
8Rのオニノシタブルは、2走前(⑤着)のいい感触が残っています。自分からというタイプではないので展開面は鍵ですが、馬の気分とかみ合えば上位争いできるはず。10Rのマイネルバールマンは時計がかかる馬場が合う馬なので、開幕週となればヨーイドンの競馬にはしたくありません。前走は力で勝ったとはいえ1200mは忙しいので、ベストの1400mで有利な展開に持ち込めるように気をつけて乗りたい。11Rのマイネルラフレシアは左回りの走りのほうがいい馬。2走前の1600mは明らかに忙しかったので、プリンシパルSで頑張った東京2000mで巻き返したいところ。厩舎から状態はいいと聞いています。12Rのコスモヨハネは間隔が空いていた前走が好内容。あまり使うと硬くなっていく印象がある馬なので、フレッシュな2戦目で決めておきたいところです。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。根岸Sのノボバカラは中間の調教に乗せていただきましたが、素直でコントロールしやすく、凄く動きも良かった。相手関係の枠順を把握して組み立てるつもりですが、とりわけスタートに気をつけて前々の競馬を心掛けたい。十分にチャンスがあると思いますので、力を発揮させてあげられるように頑張ります。2R(新馬)のハクサンスマイルは、いいモノを持っていますがまだ幼い感じがします。使いつつ調子と着順を上げてくるタイプではないでしょうか。
7Rのコスモエルデストは交流が入らず除外続きも、今週の追い切りの動きが良かった。むしろしっかり乗り込めており、状態の良さは目立ちます。今なら中央場所でも頑張ってくれませんか。ダートの1600mも合っていると思います。8Rのマイネルビクトリーは前走内容が悪くなかった。ハミを色々と換えてきましたが、今の装備が一番合っていると思います。調子も段々と上げてきたので、2100mで流れが向けばそろそろ変われるはず。10Rのペルソナリテはなかなか気持ちが安定しないので、その時々の雰囲気を大事にしてあげることが重要。ハンデ52キロで条件も合っており、力は全然足りるのですが……。パドックや返し馬に注目していただきたいタイプです。12Rのマイネルネーベルは関西で500万を勝たせてもらった馬。2走前に1000万で掲示板もあるので、改めて通用する目途を立ててあげたい。
1回中山開催は2勝(②着7回)で終わってしまいましたが、自分なりにランニングと体幹トレーニング(トレーナーさんに見てもらいつつ)のパターンを見出して、今は体の調子が本当にいいんです。以前は動かなかった部分を矯正して、動かせるようになったと表現しておきましょうか。リズム良くいけば勢いに乗れる態勢にありますので、開催替わりのタイミングを結果に繋げられるよう頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。