一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
小倉大賞典はマイネルハニーに騎乗
2017/2/16(木)
なかなかスッキリしない成績が続いています。先週も勝利はなく、マイネルクラフト(6人気)の②着が最高着順。最後の半馬身差は休み明けの分だったと思うのですが、ノドの手術が上手くいったようで、苦しくならずにシッカリ走れていたのは収穫でした。上のクラスでも通用する能力を見せることができたので、この先が楽しみです。クイーンCのパフォーム(15人気⑥着)は大外枠だったため、道中は内側に入れて終いに脚を使わすというプラン。理想どおりに運べて内容ある競馬だったと思うので、条件と枠順がかみ合えばチャンスが訪れるはずです。
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。2R(新馬)のワッハッハはずっと調教に乗せていただいており、なかなかいいモノを持っている馬。調教どおりの走りができれば、イキナリから頑張ってくれませんか。5Rのキューンハイトの前走は、中山がコース的に忙しい感じがしました。新馬②着の馬ですし、東京コースで改めて期待しています。6Rのダイワナッティーは未勝利を勝たせられずに気になっていた馬。久々の騎乗になりますが、成長を楽しみにしています。7Rのコスモピクシスは休み明けを使いながら順調に良くなっています。中1週になるものの、そのあたりは問題のない馬。コースも合うので力が入る一戦です。
8Rのピアシングステアはさらに距離が延びるので、折り合いに気をつけてリズム良く運びたい。ポジションが下がってしまった場合でも脚を使えることを把握できたので、昇級でもいい競馬ができると思います。9Rのマイネルズイーガーは先行してしぶとい脚を使えるのが持ち味。東京コースは課題になりそうですが、状態の良さを厩舎から聞いているので乗り方でカバーしたい。10Rのウインユニファイドは東京2100mがベストだと僕は思っています。前走は忙しく見えた1600mでも頑張っていたので、この舞台なら準オープンでも頑張ってくれるはず。
既報のとおり、日曜は小倉で9鞍に騎乗します。小倉大賞典のマイネルハニーは理想どおりの調整ができており、何の心配もなく小倉に向かえます。前走は初めてのマイル戦でも頑張っていましたが、強いメンバーの中で思ったよりも目標になっていたという印象。スタート良く流れに乗せていくのが理想ですが、今は落ち着いて走れるので特にハナに拘るつもりはありません。初めてのコースとなるものの、小回り1800mはむしろ合うのではないでしょうか。2Rのアートラヴァーは前向きでヤル気がある馬という印象。枠が左右する1000mなので何とも言えませんが、あまりモマれない競馬を心掛けたい。
4Rのコスモメイプルは前走が1600mでも忙しい感じだったので、1ハロンの距離延長は合うと思います。終いはシッカリとした脚を使える馬なので、このコース替わりで前進がありませんか。7Rのウインティアラは福島で乗った印象から小回りコースは合っています。長い休養明けなので、そのあたりがポイントになりそう。10Rのコスモアルヘナは、いい競馬をしていた前走で反応しきれなかったのは久々の分と見ています。勝手は知っている馬なので、この連闘がいいほうに向いてほしいですね。
僕にとってこの東京開催はあと一日しかありませんが、②③着を合わせて9回と勝ち切れなかったのが直接的なところも、思ったとおりに進められた結果の着順なので、あまり惜しかったという感覚がないんです。次に繋がるステップだったと捉えて、最終日も前向きに勝利を目指します。そして、100勝のメモリアルを勝たせてもらって思い入れがある小倉(デビュー時はよく冬の小倉に滞在で行っていました)、大好きな次の中山開催で大きく流れを変えたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。