一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
青葉賞はマイネルスフェーンに騎乗
2017/4/27(木)
東京開幕週は勝つことができず、コスモペリドット(10人気)の②着が最高着順。南半球産ということもあり、休養効果で馬がしっかりした印象がありました。あとひと押しのところで勝てなかったのは残念ですが、いい競馬はできており、まだまだ良くなってくると思います。コスモナインボール(4人気④着)はやはり良馬場で変わってくれて、一瞬は勝てるかなとも思いましたが……。東京の直線の長さを痛感しましたが、自己条件は早い段階で勝ち上がらせてあげたい一頭です。
この土曜は東京で9鞍に騎乗します。青葉賞のマイネルスフェーンは京成杯後の筋肉痛で間隔が空いてしまいました。そこで無理をしなかったのが奏功したようで、先週乗せていただいた感触はとても良く、しっかり乗り込まれていることが動きから伝わってきました。中山の重賞でも③②着と安定していますが、本来は広いコースでこそと思っている馬。相手関係の脚質なども把握して、何としてもダービーの出走権を取りたい一戦です。3Rのジャンティーユはダートに替わった前走でいい感触がありました。乾いた馬場と距離延長で前進がありませんか。5Rのタックボーイの前走は勝ちにも等しいくらいの②着。東京コースなら1400mのほうが乗りやすいと思いますし、ベストの舞台で決めてあげたいところです。
6Rのコスモピクシスはかみ合えば前走くらい走れる馬。前半行けない分だけペースに左右されますが、4走前には東京コースで実績もありますからね。10Rのウインユニファイドは力がありますし、この条件は一番合う馬。ただ、乗せていただいた2走前は馬が集中していなくて、終始手応えがなかった。勝ちパターンは分かっているので、気持ちを途切れさせように工夫しながら乗りたいです。12Rのオニノシタブルは展開ひとつで、上手く脚をタメてあげれば必ずいい脚を使ってくれる馬。流れが向いてほしいです。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。4Rのプーカローズの近走は道中で気持ちが途切れてしまっていた印象。中間に乗っていませんが、間隔を空けて芝に戻り集中して走れれば、もっと頑張れていいはずの馬です。5Rのマイネルクラースの前走は道悪の影響か全く進んで行かず。間違いなく東京コース向きの馬ですし、良馬場でやれればあのようなことはありません。反対に6Rのクイントゥープルの前走は、時計がかかる馬場が向いたのかなという印象。これまでの競馬からも、良馬場で時計勝負になるとどうかなという懸念はあります。8Rのマイネルネッツは、速い馬場に対応できた前走が収穫でした。東京コースにも実績があり、厩舎サイドがいい状態で持ってきてくれると思います。
9Rのマイネルクラフトは、2走前に力の違いで中山でも勝ちましたが、小回りは器用に立ち回れないという感じ。クラース同様に東京コース向きの馬だと思っており、改めてここで変わってくれるはず。11RのアンネリースはフローラS除外でスイートピーSに。間隔が空いているので1週延びて乗り込めたのは好材料ですし、初めて乗った時から素質を感じている馬。確実に差してくれる決め手があって、牝馬同士なら差はないはず。日曜はオークスの出走権を目指して頑張ります。12Rのピアシングステアは調教に乗せていただいていますが、間隔が空いている分がどうか。ここでも通用する能力を感じている馬ですが、一度使ったほうがより良くなってきそう。強い相手に500万を勝たせていただいたようにこのコースは合っています。
今週は火曜、木曜と浦和競馬場の交流に乗りに行きましたが、こちらでも勝利はお預け。土日が東京開催だったこともあり、コンパクトで忙しい競馬場だなと改めて思いました。そんな中でも引き続きリズムは悪くありませんので、よりお馴染みの馬に乗せていただける週末は結果を求めて頑張りたい。そして、来週はNHKマイルCでトラストの騎乗もありますので、次回の更新で意気込みを書かせてもらいます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。