一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
改めて力が入る東京最終週
2017/6/22(木)
先週はマイネルユキツバキ(1人気)で勝つことができました。調教で動いていましたし、返し馬でもいい感触があったので自信を持って臨めました。1400mで前半忙しい感じはしましたが、エンジンがかかってからの伸びは素晴らしかった。距離にも融通ありそうなので先々が楽しみです。アシュランス(4人気②着)は距離短縮で終いの甘さを補えましたし、コスモオペラ(5人気②着)もスタート良く自分のリズムで運べました。どちらにも共通して言えるのは、相手が悪かった……。次は福島になると思いますが、何とかしてあげたいですね。
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。1Rのマイネルキャドーはスタートがあまり決まらず、思っていたほど動ききれませんでした。使って気が入った今度は違うと思いますので、折り合いを意識しながら勝ち負けに持ち込みたい。2Rのマイネルルタンの前走は、着順(⑧着)よりも内容は悪くなかった。1600mも合いそうなので、もう少し頑張れると思っています。3Rのムーンロードは、ダートが合っていたようで前走は一変。感触を掴めた上で続けての騎乗ですし、今回も差のない競馬ができるはず。4Rのマイネルハレオの前走は、東京コースでよく踏ん張ってくれました。こちらも続けての騎乗で、前進を見込んでいる一戦。
5R(2歳新馬)のコスモラフェットは2週続けて乗せていただき、しっかりと追い切りを積めて動きもいいです。今週も新馬勝ちの期待を持って臨みます。10Rのコスモナインボールは相手が揃っていたとはいえ、前走の⑥着は案外でした。今度は頭数も手頃なハンデ戦なので、何とか巻き返したいです。11Rのメイスンウォーは初めての騎乗。キャリアがある馬ですし、レースまでに研究して持ち味を活かしてあげたい。12Rのシュピールカルテは時計のかかる馬場もマッチして、前走はよく頑張ってくれました。1400mはこの馬のリズム、タイミングで競馬をしやすいので改めて上位を目指します。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。2Rのマスカレードシチーは、道中で散漫なところがあるのでブリンカーを再装着します。詰めて使うのもいいと思いますので、何とかこの馬の力を出してあげたい。5R(2歳新馬)のマイネルイノメは動き自体はいいのですが、気性的なものかハミを取ったり取らなかったと若さが少し気になります。上手に走ってくれれば、能力的には通用すると思います。7Rのパフォームは、強い相手とオープンで戦ってきた馬。古馬が相手とはいえ、500万の牝馬限定戦ならおのずと力が入ります。
8Rのマイネルラプティスは、前走の2400mは長かったという印象。バテる馬ではないので、1800mで自分のリズムで運べれば前進が見込めます。
9Rのコスモジャーベは、8頭立てて唯一の降級馬ですかね。上の1000万で実績もありますし、ここは頑張ってほしいところ。10Rのマイネルディアベルは6歳にして初ダート。馬はまだまだ元気一杯なので、これがいいキッカケになってくれませんか。11Rのコスモドームは、同じ1400mの前走でもいい脚を使っています。ただ、東京コースはどうしてもヨーイドンの競馬になってしまうので、枠順と展開などがかみ合ってほしいところ。12Rのマイネルツァイトは、続けて乗せていただいて3戦目の前走でかなり良化を感じました。どうしてもテンションが高いので、落ち着いて臨めるようならもうひとつ前進が見込めます。
いよいよ東京コースの最終週。先週も話題にしましたが、何とかこの開催のうちにJRA通算400勝を決めておきたいと思っています。そして、福島開幕週のラジオNIKEEI賞にはマイネルスフェーンがスタンバイしています。小回りにも対応してくれる馬なので改めての期待。この中間は跨っていませんが、次回の更新で見通しを書かせてもらいます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。