
一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
3日間開催は中山で乗ります
2017/9/14(木)
先週は土曜阪神のマイネルアトゥー(7人気)で勝つことができました。スタートは上手く出たので流れに乗せようとも思ったのですが、前に行く馬がやりあっていたので無理はしませんでした。想定より後ろのポジションにはなりましたが、あの我慢が最後の脚に繋がったという感じでした。追い出してからの反応が力強く、この先もステイゴールド産駒らしさで成長してくれればと思います。期待していたコスモレリア(2人気③着)はスタートで出ない誤算はありましたが、最後はシッカリ脚を使ってくれて、結果的にいい内容の初戦になったと思います。まだ体に余裕もありましたし、気性的にも2戦目の前進が楽しみです。一方、京成杯AHのマイネルアウラート(12人気⑮着)は馬にヤル気はあったのですが、状態的に暑さが堪えているという印象でした。実績と照らし合わせてもこれからの時期が合う馬で、冬に向けてまだまだ頑張ってくれると思います。

今週は3日間開催、初日の土曜は中山で6鞍に騎乗します。1Rのシガールはダートに変えた前走で内容が良くなりました。1200mは忙しい印象もありますが、今度は坂があるコースなので前進に期待しています。5R(2歳新馬)のマイネルファンロンは先週の追い切りに乗せていただきましたが、その時点で万全の状態だと感じました。兄のマイネルクラフトよりも小脚が使えて、起用に立ち回れそうなイメージ。これから良くなる余地を残す中でも、いきなり結果を出せる能力がありそうです。
9Rのコスモヨハネの前走は頑張ってくれましたが相手が悪かったという印象。中山も得意なので、休み明け3戦目で改めて期待しています。11Rのマイネルラフレシアの前走は休み明けの分もあったのか、思っていたほどの脚が使えず。結果が出ているのは左回りも、状態さえ上向いていれば自己条件ならヒケは取らない馬です。
12Rのマイネルツァイトは馬込みで怯むなどの弱みはありますが、500万でも通用する素質は感じています。東京であれば中山向きなので、夏を越した成長と相まって前進がありませんか。
日曜も中山で7鞍に騎乗します。2Rのゴールドシャッツは、ここ2戦ともシッカリ走れています。外を回してというタイプではないので、起用に立ち回って脚がタメられる内目の枠順が理想です。3Rのマイネルグリージョはレースを経験した変わり身に期待。もっと走れそうなイメージはあります。7Rのサムワンライクユーは上がりの速い決着が向かないので、中山コースは合いそう。続けての騎乗で、より良さを出せればと思っています。
9Rのアンネリースの前走はスタートから出ず、流れにも乗って行けずで参考外と捉えたい一戦。距離は2000mあっていいと思いますし、シッカリとハミを取って普通の競馬ができれば力が違うはず。あんな馬ではないので巻き返したいです。10Rのフローラルダンサーは初芝の適性に期待。モマれると良くないイメージがあるので、上手く流れに乗せてあげたい。11RのコスモカナディアンのエルムSは、強い相手かつ時計が速いレースでよく頑張っているように見えました。中間は跨っていないものの、近走と地力を思えば勝ち負けを意識したいところ。コースは問わない馬ですが、そんな中でも中山は合っていると思います。

祝日開催の月曜も中山で6鞍に騎乗します。2Rのコスモフェリークは初戦が一生懸命になりすぎて、前走は道中全くハミを取らないという極端な内容。モタれるところはありますが、力があるところも分かったので、ここ2走の中間をとって上手く運んであげたい。8Rのテンキセキはモマれると力を出せないところがあり、前走は厳しい展開になってしまいました。理想は外枠で、とにかくスムーズに立ち回ってあげたいです。9Rのマイネルユニブランはクラス3戦目でどれだけ慣れが見込めるか。脚質に幅はあるので、展開に合わせてロスのない競馬を心掛けます。12Rのマイネルザウバアは先週の追い切りに乗せていただきましたが、久々を感じさせない仕上がり。仕掛けてから反応良く以前の硬さがなくなり、いきなり走れる態勢にあると思います。かねてから素質を感じていた馬なので、レースに行っての成長が楽しみです。

来週はコラム更新前の水曜に浦和競馬のテレ玉杯オーバルスプリントでモンドクラッセにも騎乗します。追い切りは厩舎サイドにお任せしておりレースで初めて跨りますが、前走は久々の影響もあったそうなので、2走目かつスピードある馬の1400m挑戦ということで楽しみにしています。浦和は忙しくなってしまう馬も少なくありませんが、僕的には小回りで割と好きな競馬場。マッチしそうなイメージがあるので、何とか力を発揮させてあげたいです。かなり前に出演の告知をしたつもりでしたが、そうこうしている間に9月28日(木)の生うまトークサミットが近づいてきましたね。このコラムでもそうなのですが、直近のレースで話題になる結果を残せるように頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。