一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
東京スポーツ杯2歳Sはコスモイグナーツに騎乗
2017/11/16(木)
先週はアンノートル(5人気)で勝つことができました。内枠とマッチして1600mでも流れに乗ることができましたし、4コーナーであのポジションに入れたのが大きかった。前走が捌ききれずの敗戦だったので、責任を果たせたことにホッとしました。初めて乗せていただいたオールドクラシック(9人気②着)は折り合いに気をつけてほしいという話でしたが、前半にポジションを取りにいった割にすぐハミが抜けて上手に走ってくれました。あそこまでいけば勝ちたかったですが、とてもコントロールしやすくて乗りやすい馬です。期待していたマイネルプリンチペ(1人気③着)は、直線で前は開いているのですがスッと入っていける脚がなく、切り替えてまた内に切り替えてというロスが痛かった。能力は秘めている馬なので、今回の教訓を活かして次走の勝利を目指します。
この土曜は東京で7鞍に騎乗します。東京スポーツ杯2歳Sのコスモイグナーツの前走は、かなり重い馬場も味方となって、強い相手に最後まで踏ん張ってくれました。さらにメンバーは強化しますが、引き続きの少頭数でまた土曜日は恵みの雨予報。この中間も状態は凄く良いので、来春にメドが立つ結果を残せればと思っています。2Rのコスモロブロイの前走は、ハミが抜けてしまって自分から進もうとする面が欠けていた印象。そのあたりを改善するために今回はブリンカーを着用します。中1週、馬場状態と心配もありますが、気持ちが前向きになってくれることに期待しています。
3Rのマイネルミシシッピの初戦は思いのほか走れずの⑭着。あれから4ヶ月半振りで追い切りに乗せていただきましたが、大分良くなってきたという感触はありました。追走面から1ハロンの延長はいいはずなので、少なくとも次走に繋がるレースをしてあげたい。7Rのマイネルキャドーは5ヶ月振りの実戦になりますが、中間の感触はとても良かった。気持ちが入りすぎるくらいの馬なので久々でも力は出せそう。前向きな部分をコントロールしてあげられれば差のない競馬になるはずです。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。1Rのラヴァーズインメイの前走は乗っている自分も感心してしまうほどの内容。荒れてきて時計がかかる馬場も合いそうなので、中1週の反動がなければ今回も頑張ってくれるはず。4Rのゴールドシャッツも、毎回力は出し切ってくれる馬。あとひと押しというところまできているので、時計がかかる馬場を味方に前進がありませんか。
8Rのマイネルラックは1000万下でやれるだけの力を感じています。前回はゲートで動いていいスタートをきれなったので、そこに気をつけて流れに乗せてあげたい。自分が乗っているのは1200mですが、距離は1400mが一番合っていると思います。9Rのタイドオーバーは少頭数の牝馬限定戦で力を出せそうな条件。アルテミスSでも見せ場はあったので、改めて前進に期待しています。12Rのウインテンダネスは、もともと1000万下でいい競馬をしていた馬。東京2000mにいいイメージもあるので、もう一度研究して結果を出したいと思っています。
あっという間に東京の連続開催も来週でオーラスですが、その前の11月23日(祝・木)にマイネルバサラが浦和記念に出走できる運びとなりました。中間の調教はほぼ厩舎にお任せしている馬ですが、改めて前走の京都戦で感触も掴めています。次回更新でいい報告ができるよう、週末の騎乗と合わせて頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。