一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
カペラSはモンドクラッセに騎乗
2017/12/7(木)
中山開幕週は勝つことができず、マイネルビクトリー(5人気②着)が最高着順。思っていた以上に休み明け2戦目で馬が復調してくれており、展開も向いて上手く内を捌けたのですが……。改めてコースにも目途が立ち、次走で何とかしたい感触を得られました。マイネルファンロン(3人気③着)はまだ馬が若く、馬体もそうですし、経験を積んでこれから良くなっていくと思います。素質はかなりのモノを持っているので、目先の結果に拘らず伸ばしていってあげたいです。
この土曜は中山で6鞍に騎乗します。3Rのロイヤルジュビリーは3戦目で初芝ですが、走りの感触からマッチしそうな予感。改めていい競馬になると思っています。4Rのベリータの初戦は道中でついて行くのに一杯。使った上積みと、馬がレースを覚えてくれていることに期待します。
11Rのコスモカナディアンは2ヶ月半振りがどうかですが、むしろフレッシュな時に頑張ってくれるイメージがある馬。中間に跨ってはいないものの、コースも問題ありませんし、先々まで期待しているので力が入ります。12Rのウォーブルは1800mで上手く流れに乗せられるかどうかが鍵。途中から動いていくようなイメージも持ちつつ、臨機応変に対応したいと思います。
日曜も中山で7鞍に騎乗します。カペラSのモンドクラッセはスピードがある馬ですが、初めての1200mとかみ合ってくれるかどうか。2走前に乗せていただいた際に馬体面の良さは感じたので、とにかく気分良く走らせてあげることを心掛けたい。近走の着順は気持ちの問題だと思っています。3Rのコスモグラトナスの前走は馬のリズムで走らせることができ、これまでとは一変して渋太く頑張ってくれました。中山コースでもあの運びができれば差はないと思います。
8Rのブルーボサノヴァの前走は馬に覇気があって状態面の良さを感じました。極端な脚質ではあるのですが、コース取りひとつでさらに善戦できそうなイメージ。ロスがないよう捌くことに集中したい一戦です。10Rのコスモナインボールは休み明けの昇級戦。使ったほうがいいタイプでもあるので、次に繋がる競馬を心掛けて乗りたい。
今週は休日の月曜、国立新美術館へ安藤忠雄展を観に行ってきました。この機会まで詳しく存じてなかったのですが、作品を観て生き様を知ることで感銘を受けました。独学で建築を学ばれたそうで、その情熱があそこまでのものになるとは……。12月18日(月)までと展覧期間は迫っていますが、文章で説明するのが申し訳ないくらいの感動だったので、お近くの方は是非足を運んでみてください。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。