一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
AJCCはマイネルミラノに騎乗
2018/1/18(木)
先週はノアダイヤモンド(9人気)で新年の片目を開けることができました。返し馬から雰囲気が良くて初ダートもいいほうに向いたようで、砂を被っても問題なく6戦目というキャリアを活かすことができました。3着も3回ありましたが、初めて乗せていただいたサザンボルケーノ(3人気)は真面目で一生懸命な馬ですね。前半が速くてついていくのに忙しい流れでしたが、直線外に出してからはシッカリと脚を使ってくれました。関西馬ですが、機会があればまた乗せていただきたい一頭です。京成杯のコスモイグナーツ(8人気11着)は包まれて動けない位置では持ち味が活きないので、出していかざるを得ない枠の並び。外枠を引ければ出たなりでジワッと押し上げる競馬をしたかったのですが……。ここ2走は力んでしまって緩急をつけられていないので、次のレースまでに調教から工夫したいと思っています。
この土曜は中山で7鞍に騎乗します。1Rのムーンサルトの初戦はついていくのに苦労しました。競馬に戸惑っていた印象もあるので、慣れが見込める2戦目で前進に期待しています。5Rのコスモフェリークは毎回一生懸命に走ってくれる馬。続戦だった前走は疲れもあった懸念があり、むしろこの休み明けがいいほうに向いてくれませんか。未勝利では力が上だと思っています。6Rのコスモレリアは休み明けの前走でもシッカリ走れています。使われての上積みが期待できますし、改めて勝ち負けの期待。
7Rのマイネルレヴリーは昇級緒戦も、初勝利の前走がなかなかの内容でした。時計面の短縮、次に繋がる競馬を意識したい。11Rのエネスクは今週の追い切りに乗せていたただきましたが、いい意味で変わった印象がありませんでした。前走は追走に忙しかったので、グッと抱えながら先行させられる展開が理想。タメを利かせて最後もひと頑張りできた2走前の競馬を目指します。12Rのウォーブルは2000mまで問題なく対応していますし、もう1ハロン延びることで楽に自分の競馬に持ち込めるはず。道中のペース配分に気をつけて前進を狙います。
日曜も中山で12鞍に騎乗します。アメリカJCCのマイネルミラノの前走(中山金杯)は行き脚がつかず、最後の粘りもらしからぬものでした。間隔が詰まったことと少頭数で前半から行き脚をつけて自分のリズムで運べれば、あんなことはないと思っています。強い相手もいますが、この馬らしい競馬を期待したい。1Rのポートナイトサイトは一戦毎に内容と着順が伴ってきました。牝馬限定の適鞍で改めてチャンスだと思っています。2Rのスガノゴールドの初戦は追走に苦労しました。調教の感じからもっと走れるはずなので、2戦目の変わり身に期待。
4R(新馬)のジュノーフォンテンは今週の追い切りに乗せていただきましたが、気持ちが入っていて凄くいい走りをする馬。深いウッドでもシッカリ走れているので、今の馬場状態とマッチすると思います。5Rのマイネルキラメキは中山に替わった前走が忙しい競馬になってしまいました。どうしても前半は行けない馬なので、外回りの2200mはいいほうに向くはず。流れを読みつつ仕掛け所に気をつけます。8Rのコスモコレクションの前走は頑張っていますが、やや外枠も堪えたという印象。とにかくロスのない立ち回りをしたいので、内目の枠順が理想です。9Rのトッカータは勝たせてもらった前回の騎乗で、ハミ受けなどに難しい面を感じた馬。この中間は跨っていないので成長に期待しつつ、500万では力が上というイメージを持って臨みます。
3場開催でも想定頭数が少なくなかった日曜日ですが、確定してみれば全レースに乗せていただけます。関係者の皆様には感謝していますし、自分としてもより頭数が多いほうがリズムを保っていきやすいタイプ。新年もトレーニングを欠かしていないので、体力には自信を持っているつもり。土曜の段階で両目を開けて、結果で恩返ししたいと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。