一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
根岸Sはモンドクラッセに騎乗
2018/1/25(木)
先週はマイネルキラメキ(6人気)で勝つことができました。距離が延びたことで流れについて行けましたし、追ってからもシッカリと反応しています。外回りと展開がかみ合ってくれましたが、あの内容であれば昇級してからも楽しみです。3着も4回あった中で、とりわけアメリカJCCのマイネルミラノ(8人気)が長くいい脚を使って頑張ってくれました。あのように、行くにしても途中で息を入れて自分の形に持ち込めれば渋太いですし、まだまだ衰えは感じません。実績的にハンデ戦だと斤量が重くなるので、別定戦というのも良かったのかもしれません。
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。1Rのゼットイーリスの前走は初ダートで砂を被るのを気にしていましたが、内容的には凄く良かった。2回目で慣れが見込めますし、広いコースに替わるのもプラスだと思います。2Rのアルマライルも広いコースと距離延長が歓迎というタイプ。素質を感じる馬なので、少しずつ結果が伴ってくると思います。8Rのマイネルビクトリーの前走は、先行馬同士の決着で流れが向きませんでした。中間乗せていただいて状態の良さを確認しているので、何度も走っている東京2100mで改めて期待しています。
9Rのオニノシタブルは東京1400mがベスト条件。自分の形になった時は凄い末脚を使ってくれるので、少しでも展開が向いてほしい。11Rのマイネルハニーは1週前に乗せていただいた感じが良く、今週も好調を伝え聞いています。東京2000mはハナか2番手でリズムに乗せれば持ち味が活きるであろう舞台。もちろん連勝を狙っています。12Rのタックボーイは昇級緒戦の前走敗戦から間隔が空きました。本来は相手なりのタイプですし、当日はテンションを抑えてクラスに目途を立ててあげたい。
日曜も東京で8鞍に騎乗します。根岸Sのモンドクラッセの前走(カペラS)は、終いを活かす形でいい内容の競馬。今回も同様の戦法で最後まで走りきらせてあげたい。まだまだ十分にやれる能力の高い馬だと思っていますので、続けて乗せていただける利点を最大限に活かします。3Rのネコワシは追い切りに乗せていただきましたが順調です。今なら東京コースも問題ないはずで、ここ2戦の内容から力が入ります。4Rのシガールはなかなか結果が伴いません。今回は芝のマイル戦になるので、適性を見つつひとつでも上の着順を目指します。
7Rのジュブリーユは東京コースでも安定している馬。このクラスでは力が上という印象なので、久々の騎乗を楽しみにしています。10Rのマイネルヴンシュは新馬(4着)以来の東京コースですが、今ならむしろ広いコースのほうが合いそう。2400mなら道中も忙しくならないはずで、流れに乗せつつ終いの脚を活かすイメージです。上手く乗って結果を出して、大きなところに向かっていきたい。12Rのマイネルユニブランは自分のリズムで走れれば渋太い馬。前走はいかにも流れが厳しかった印象なので、展開ひとつで巻き返してくれるはず。
ニュースで東京の交通は大変そうでしたが、美浦も月曜の雪は凄かった。かなり積もっていたので心配したものの、火曜の気温が高かったおかげで、水曜の追い切りには差し支えがありませんでした。大井競馬は影響を受けていましたが、あの雪が競馬の日と考えるとゾッとします。開幕週らしく、できる限りの良馬場で臨みたい。今日(木曜)はこれからマイネルバサラ(浦和記念)の勝ち祝いに行ってきます。年末年始がバタバタしてこのタイミングですが、楽しみつついい気を取り入れて週末に勢いをつけたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。