一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
東京新聞杯はマイネルアウラートに騎乗
2018/2/1(木)
東京開幕週は2勝することができました。マイネルハニー(3人気)は自分のリズムで淡々と逃げることができて、硬すぎない馬場もマッチしてくれました。余計なところでイレ込んだりすることもなく充実期に入ったという印象。3歳時に重賞を勝っている馬ですが、改めて大きいところを見据えていきたい。ネコワシ(2人気)は他馬を気にする面があるので前半の進みが悪くてヒヤッとしましたが、直線に向いて外に出してからは凄い脚。まだまだ良くなる余地を残しての勝利で、これからが本当に楽しみです。根岸Sのモンドクラッセ(10人気7着)も頑張ってくれましたが、あまりにも時計が速すぎました。あのレベルになると止まらない馬は止まりませんし、上位3頭は34秒台で上がっているので……。ただ、この馬も最後まで走り切っており、パサパサの馬場で条件がかみ合えばどこかでチャンスはあると思います。
この土曜は東京で6鞍に騎乗します。8Rのマイネルツァイトの前走は流れが忙しく伸び切れませんでしたが、レースの内容は良くなっています。あの感じなら広い東京コース替わりは悪くないと思うので前進に期待しています。9Rのフィルハーモニーは広い東京コースのほうが向いているはず。1400mは若干忙しいかもしれませんが、流れがかみ合えば長く脚を使ってくれそうなイメージ。硬すぎない馬場も合うと思っています。10Rのコスモピクシスは東京2400mがベスト条件。いつものようにジックリと構えて、最後にどれだけ脚を使えるかという競馬になると思います。11Rのマイネルメリエンダのここ2戦は内容がある競馬をしていますね。復調してきたのは間違いないと思うので、前半のリズムに気をつけて流れに乗せてあげたい。本来、準オープンでも上の力がある馬なので、この舞台なら頑張ってくれるはず。
日曜も東京で10鞍に騎乗します。東京新聞杯のマイネルアウラートは冬場がいい馬で、追い切りを見ても調子が良さそうです。もちろん相手は強いのですが、立ち回りの上手さを活かして上位に食い込みたい。2Rのコスモターンブルーは、前走でダートが合っていたと聞いています。距離延長も問題なさそうなので、慣れが見込める2戦目で前進に期待。5Rのサンクエトワールの初戦は、中山マイルが忙しかったという印象。コース替わりと距離延長はプラスに働くと思います。
7Rのコスモスピードは新馬以来の騎乗。ここまでの足踏みが意外な馬なので、少しでもいい面を引き出せれば。10Rのマイネルクラースは2走前こそ崩れましたが、改めて前走は1番人気に違わぬ力を見せてくれました。極端な脚質なので東京コースは流れの乗せ方と仕掛け所が難しくなりますが、ハンデ戦の55キロならクラスが上がっても十分にやれると思っています。12Rのペルソナリテは前回の東京開催以来で間隔が空いていますが、むしろフレッシュな時のほうが頑張ってくれる印象があります。上のクラスでも頑張ってきた馬なので、自己条件の1000万なら何とかしてあげたい。
週明け、火曜の佐賀記念はマイネルバサラに乗りに行きます。この馬に関しての仕上げは厩舎にお任せですが、川崎記念と両睨みの登録で、こちらに回ったからにはプラス2キロの斤量でも押し切りたい。ちょうど先週は浦和記念の勝ち祝いがあり、スタッフの皆さんも次を期待されていたので、応えるような結果を残せればと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。