一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝利がほしい東京最終週
2018/2/15(木)
先週乗った3日間は2度の2着が最高着順。マイネルビクトリー(8人気)はいつも脚を使ってくれるのですが、東京2100mはスローペースになりがちなので、遅くなるようならどこかで動こうと思っていました。馬の状態は良くなっており、自分が考えていたレースはできています。乾いた馬場で走りやすそうでもありました。マイネルユキツバキ(4人気)もペースが遅くなったタイミングで動きました。3着馬を差し返す力を見せてくれており、500万はいつ勝ってもという力を持っています。
共同通信杯のコスモイグナーツ(9人気8着)は道中我慢してくれて、ここ数戦に比べれば直線も伸びています。上位は33秒台で上がっており相手が強かった印象ですが、次に繋がる競馬をすることはできました。クイーンCのキャッチミーアップ(14人気13着)は色々と研究して臨んだのですが、スタートしてから馬に進む気配がなく終始追いどおし。関西からの輸送や初コースの影響があったのか力を出し切れておらず、キャリアからもまだまだ変われる要素はありそうです。
この土曜は東京で8鞍に騎乗します。3Rのハッピーテーラーの前走は初コースに戸惑ったのか見せ場なく終わってしまいました。立て直した効果に期待して、次に繋がるレースをしてあげたい。5Rのマイネルグリージョの前走は道悪が影響しましたか。馬場がいいコースに戻ってキッカケを掴みたいですね。9Rのマイネルファンロンは今週の追い切りに乗せていただきましたが、動きも良く力を出せる仕上がり。馬が完成するのは先だと思いますが、持っている能力はかなりのもの。大きいところを見据える意味でも勝っておきたい自己条件です。12Rのペルソナリテは休み明けの前走でも見せ場たっぷり。やはり東京芝1400mは一番合っています。東京コースは最終週でもあり、改めて力が入ります。
日曜も東京で4鞍に騎乗します。4Rのマイネルイノメの前走は、ブリンカーの効果かガラッと変わってきましたね。自分が乗るのは新馬以来ですが、先入観は捨てていいイメージで臨みます。9Rのネコワシは一気にメンバーこそ強くなりますが、周りに気を使う馬なので同じコースで続けて乗れるのは大きい。状態は変わらずきており、オープンに入ってどれだけやれるのか楽しみです。10Rのマイネルラフレシアは休み明けも、むしろ立て直した効果に期待しています。もどかしい競馬が続いていますが、いい頃にさえ戻ってくれればこのクラスにいる馬ではありません。
フェブラリーSを予定していたモンドクラッセは補欠一番手で入れず……。木曜の交流(浦和)で勢いをつけたかったマイネルクランチも3着となかなか思ったとおりにはいきませんが、忙しくさせてもらっているのは何より。あっという間に来週から中山開催なので、この週末こそは勝って気持ち良く東京開催を締めくくりたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。