一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
中山記念はマイネルハニーで出走
2018/2/22(木)
なかなか勝ち切れず歯痒くも東京開催が終了。期待していたマイネルファンロン(4人気2着)は勝ち馬が強かったという印象ですが、イメージしていたとおりの競馬はできました。追い出してからブレる面があって完成途上も、後ろから力が伝わるようになれば凄い馬になりそうです。本当に能力は高いので、大きいレースを意識しながら成長に期待したい。シリウスインパクト(1人気3着)は馬が戸惑ってゲートを出て行かず道中も追いどおし。それでいてあの上がりで押し上げるのですから力があります。使われて気持ちさえ入れば、自ずと勝ち負けになるはず。
気持ちを切り替えたい開幕週の土曜は中山で7鞍に騎乗します。6R(新馬)のショウナンパーシアは今週の追い切りに乗せていただきましたが、いいモノを持っています。ただ、本当に良くなるのは少し先かもという印象を受けました。7Rのマイネルアンファンは北海道2歳優駿以来の出走。間隔が空いた分がどうかですが、中山コースは合いそうで500万でも十分に通用するはず。和田正道厩舎も今週がラストなので、いい結果を出したいです。8Rのマイネルヘミニスは川崎の交流戦でコースも忙しかったのか、モタれてチグハグなレースになってしまいました。スムーズに立ち回れればあそこまで負ける馬ではありません。
9Rのマイネルキラメキは先週の追い切りに乗せていただきましたが引き続き順調です。昇級戦とはいえ勝ったコースで、脚質的に少頭数も歓迎。かねてから期待している馬なので力が入ります。10Rのマイネルユニブランは1800mの開幕週なので内目の枠順が理想。上手く出して、身上であるしぶとさを活かしたい。11Rのエンゲルヘンの2走前は不良馬場が敗因としか考えられません。前走も内容がある快勝ですし、開幕週のハンデ戦で頑張ってくれると思います。僕としても今度は結果を出してあげたい。
日曜も中山で6鞍に騎乗します。中山記念のマイネルハニーは中間の仕上げは厩舎にお任せですが、連勝時と遜色ないと聞いています。相手は強くなり速い馬もいますが、先行力を武器に前々でこの馬の競馬をするだけ。今後は報道されているとおりオーストラリアのG1を見据えているので、もちろん勝利を目指していい形で遠征に繋げたい。力が入りますし、大事な一戦になります。
3Rのコスモラフェットは昨年6月以来の出走。初戦は好スタートも踏ん張りが利かなかったので、休養して立て直した効果に期待しています。5Rのボンナキュイの初戦はゲートが悪くて流れに乗って行けず。距離が延びるのはいいほうに向くはずなので、改めてスタートに気をつけていい面を引き出してあげたい。12Rのツウローゼズは展開に左右される面がありますが、終いを活かす競馬が板についてきました。人気よりも走ってくれる馬で、今回も流れ次第だと思います。
連日、冬季オリンピックで熱くなっています。日本チーム、本当に凄いですね。フィギュアスケートの羽生結弦選手はオーラも違ってさすがの貫禄でしたが、とりわけパシュート女子の金メダルには感動しました。競馬の展開ではありませんが、途中リードされながら最後の驚異的な追い込みには胸を打たれました。アスリートの皆さんには力をもらっていますし、励みにもなります。ここ数週、勝利から遠ざかっていますが、気持ちを入れて一鞍ずつ大事に乗っていきます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。