一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
中山牝馬Sはゲッカコウに騎乗
2018/3/8(木)
先週は土曜に2勝することができました。久々の勝利にホッとしましたね。コスモレリア(2人気)は枠も絶好だったので、メンバーの脚質を考慮してハナに立つ競馬を選択。この開催を目標に間隔を空けて馬が良くなっており、落ち着きもあって走りが軽かった。最後は突き放した上で余裕があり、今後が楽しみになる内容でした。マイネルエスパス(8人気)も気持ちがフレッシュな感じに戻っていました。道中からすごくスムーズな立ち回りができ、自分としても胸がすく勝ち方でした。
この土曜は中山で11鞍に騎乗します。中山牝馬Sのゲッカコウは最近でも結果が出ているように、中山1800mは得意な舞台。ただ、ゲートが良くない時があるので、スタートだけは気をつけたい。ハンデ戦でもありますし、上手く流れに乗せて立ち回れればいい競馬になるはず。2Rのバトルガニアンはダート替わりがいい方に向いてくれませんか。土曜は脚抜きも良くなりそうで、マッチしそうなイメージがあります。3Rのコスモビッグハートもダートは合いそう。それよりも1200mで忙しくなる可能性がありそうなので、前半スムーズに流れに乗せられるかが鍵ですね。
5Rのハピネスメーカーは5ヶ月振りの実戦。新馬3着と力はある馬なので、立て直してどこまでシッカリしてくれたかが楽しみです。9Rのシルヴァーコードは転厩緒戦ですが、中間に何度か乗せていただきました。感触は良く、もともとクラス実績がある馬なので、スムーズに立ち回れればチャンスがあるはず。10Rのマイネルレオーネは相手なりのタイプで、昇級緒戦の前走でも頑張れていました。ここも頭数が多くないので、上手く流れに乗せて前進を狙いたい。12Rのマイネルビクトリーは少頭数の2400mと競馬がしやすい絶好の舞台。不凍剤さえ入っていなければ水が浮いた馬場でも走れていますし、改めて力が入る一戦です。
日曜も中山で8鞍に騎乗します。1Rのダブルミリオンは間隔が空いての初ダート。条件は合いそうで、変わってくれそうな期待を持って臨みます。2Rのマイネルセッカもダート替わり。前走は追走に苦労したので、距離延長と相まってそのあたりを補えませんか。3Rのウサギノダンスは前半の位置取りが鍵になりそう。上手く流れに乗せて、直線外に持ち出せれば十分にチャンスがある馬です。
4R(新馬)のマイネルトワイスは先週の追い切りに乗せていただいて除外。1週延びた分はプラスに出るはずで、持っている素質を実戦でも出してあげたい。使えばなお良くなりそうですが、初戦でどこまでやれるか楽しみです。5Rのコスモグラトナスは中山コースでの距離延長は合いそう。時計がかかる馬場になってきたのもプラスで前進を見込んでいます。6Rのコスモインザハートも距離が延びるのは歓迎。かつ少頭数での自己条件なら力が入ります。
今週は久々や初騎乗の馬が多いのですが、先週できたリズムを持続したいところ。さらに週明けの水曜、船橋のダイオライト記念で楽しみにしているマイネルバサラに騎乗します。メンバーこそさらにG1級となりますが、浦和記念の内容を踏まえれば、地方の砂で小回りと距離延長はマッチするはず。馬の気分と展開がかみ合えば大きな仕事ができるはずなので、意外性を遺憾なく発揮できればと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。