一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
ニュージーランドTはコスモイグナーツに騎乗
2018/4/5(木)
先週は勝利が途切れ、マイネルプリンチペ(1人気2着)が最高着順。最後は休み明けの分の半馬身差だったと思いますが、内容もあって地力を見せてくれました。改めて次走で勝たせてあげたい。ダービー卿CTのマイネルアウラート(14人気8着)も直線向く時にオッと思うような手応え。いい頃に戻ってきたという感触がありました。まともならこれくらいは走れて当然なので、次走はさらに上の着順を狙っていきたいです。
この土曜は中山で8鞍に騎乗します。ニュージーランドTのコスモイグナーツは最終追い切りに乗せていただきましたが、相変わらずいい動きで好調をキープできています。無理に押してハナとは思っていませんが、馬の気持ちに任せてスムーズに運べるようならそういった展開もあるかしれません。初のマイル戦がいいほうに向いてくれませんか。2Rのマイネルジュニパーは栗東所属時の初戦で乗せていただいた馬。当時は体が緩かった印象なので、3戦目の慣れと馬体面の絞まりに期待したいところ。3Rのラプターゲイルはここのところ馬に行く気がなくなっているので、今回はブリンカー着用。本来、中山1200mは走る馬なので、スムーズに立ち回って進みが良くなってくれればと思っています。
5Rのベリータは距離を延ばし、時計がかかる馬場になっての前進に期待。もっと走っていい馬だと思うので、このあたりでキッカケを掴んであげたい。6Rのマイネルミシシッピは初ダートの前走で一変といってもいい内容。スタートも改善していましたね。僕がダートで乗るのは初めてですが、2戦目で前進を見込んでいます。7Rのトッカータは今までと条件を替えてダートの短いところ。気のいい馬なので悪くないと思いますし、大きく変わるとすればこういったタイミングなのかもしれません。
日曜は中山で11鞍に騎乗します。3Rのマイネルグリージョはここまでの4戦は厳しい戦績。今回は初めての短距離戦なので、次に繋がる競馬にしてあげたい。5Rのマイネルテンプスは常に大崩れなく頑張ってくれる馬。時計がかかる馬場もマッチしそうなので、枠順と立ち回り次第でチャンスと見ています。6Rのマイネルアンファンは前半どう流れに乗って行けるかが鍵。前走は動こうと思った瞬間に前が下がってくる展開だったので、スムーズに追い上げることができませんでした。かみ合えばもっとやれる馬だと思いますので、巻き返しに力が入ります。
7Rのグローリアスクロワは未勝利当時に一度乗せていただいた馬。あの時は人気に応えられなかったので、改めていただけたるチャンスに感謝しています。9Rのリープフラウミルヒの1800mは問題ないはずで、時計のかかる馬場も合うはず。先行力がある馬なので、この少頭数は競馬もしやすいと思います。11Rのマイネルバールマンはゴチャつく展開になると、どうしても馬が気を使ってしまいます。前走⑯着も気持ちの問題で、芝ダートの適性がどうということではありません。欲を言うならやはり外枠が理想でしょうか。2走前は阪急杯でも頑張れているので、オープン特別のハンデ戦ならやれて不思議ないと思っています。
今週は月曜日に北海道のビッグレッドファームに行き、デビュー前の2歳馬8頭に乗せていただきました。どの馬も順調に仕上がってきており本当に楽しみですが、中でもアルママ(オルフェーヴル×ホエールキャプチャ)の素質は抜けています。昨年よりも力強くなっており、伸びやかで全く違う動きをしていました。とにかく順調にデビューを迎えてくれることを祈るだけです。来週はいよいよマイネルファンロンと挑む皐月賞。厩舎サイドから「かなりの上積みあり」と聞いていますが、改めての意気込みを次回の更新で書かせてもらいます。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。