一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
2歳新馬が始まります
2018/5/31(木)
先週も勝つことができず、ヘキギョク(2人気2着)が最高着順。ただ、勝ち馬が強かったというだけで、あの馬に合ったレースはできました。東京開催のうちに決めてあげたい一頭です。ダービー当日の歓声は朝から桁が違いますね。それだけに、あのレースに乗っていないことを寂しく思いました。そんなダービーを制したのは同期の福永祐一騎手。2000勝以上もしている彼が何度も人気馬で挑んで、19度目で手にしたタイトル。本当におめでとうございます。やはり生半可なことで勝てるレースではありませんし、心底から僕も制したいという気持ちが湧き上がってきました。
この土曜は東京で6鞍に騎乗します。2Rのシガールの前走はゲートを嫌がってしまってスタートが決まらなかった。上手く流れに乗せていければ着順を上げられるはず。5R(2歳新馬)のナーゲルリングは追い切りに2週続けて乗せていただきました。ひと追い毎に良くなってきた印象を受けており、初戦とすれば万全の仕上がり。世代最初の新馬から力が入ります。
8Rのコスモロブロイは500万で安定して走れていますね。コースも合っているので、とりわけスムーズな立ち回りを心がけます。10Rのフロムマイハートの前走は、行く馬がいなかったので自分のリズムで走らせることができました。とはいえ、ハナに拘るタイプではありませんし、降級馬もいますが相手なりに頑張ってくれると思います。11Rのトラストは降級で、中央では初となるダート戦。未知なる挑戦ではありますが、3歳時はG1で善戦してオープンでも崩れていない馬ですから。まだまだ頑張れるはずですし、ここで新たな一面を引き出してあげたい。
日曜も東京で6鞍に騎乗します。先週も話題にした5R(2歳新馬)のヴォイスオブジョイも仕上がりは万全。今週こそ跨っていませんが、先週までの段階で感触を掴めており勝ち負けを意識しています。6R(2歳新馬)のマーマレードガールも好仕上がり。先週乗せていただいた時がグンと沈むような走りでオッと思わせてくれました。例年、2歳馬と相性がいい初週ですが、有り難くも好感触で臨ませていただきます。
8Rのクラウンデピュティは乾いた馬場が理想。前走が障害でワンペース的なイメージがあるので、長くいい脚を使わせるレースをしてあげたい。9Rのラペルトワの前走はよく頑張っていたと思います。集中力が途切れると止めてしまう面があるので、持続できるように乗れるかどうかが鍵になります。10Rのサバイバルポケットは、前回乗せていただいた時に人気薄で2着と頑張ってくれました。先行力がありますし、良いイメージを持って臨めます。
先程(木曜日)、ビッグレッドグループの期待馬であるナイママがホッカイドウ競馬のJRA認定競走を圧勝。大袈裟ではなくプレイアンドリアルを思い出しました。かねてからの評判どおり、凄いフットワークで走る馬ですね。こちらは中央からデビューとなるアルママともども期待が高まります。今週から気持ちを新たに、来年のダービー騎乗を目標に頑張ります!
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。