一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
いよいよアルママがデビュー
2018/7/26(木)
福島最終週は2着が3回あったものの勝ち切ることができず。マイネルラッジョ(6人気)は続けての2走目で馬がレースを覚えていて、スムーズに立ち回ることができました。相手が悪かったという2着で能力の高さを感じました。ローズピルグリム(12人気)は初芝の走りが良かった。改めてスピードがあるところも見せており、先に向けて幅が広がる一戦になりました。マイネルパッセ(4人気)は大外枠からの発走に加え、4コーナーでさらに3頭分外へ振られてしまったのが痛かった。使われても馬に落ち着きがあって、最高のコンディションだっただけに悔やまれるクビ差でした。
開幕週の土曜は札幌で3鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のアルママは函館から札幌へと移動があっても落ち着いており、その後も同じような環境に滞在しているので上手く順応している印象。追い切りでも段々と走りを覚えてきて、当週に一番いい内容をこなせたと思います。3頭併せを楽々と先着して、申し分なく力を出せる態勢に仕上がりました。自分的にも先々を占う一戦だと思っているので、まずはデビュー戦を勝たせてあげたい。6Rのベリータは逃げたのが良かったのか前走はなかなかしぶとい内容。開幕週も相まって、前々でスムーズに運んであげたい。12Rのマイネルクラフトは息遣いに不安があるため、最後まで苦しくならないように乗ってあげられるかが鍵。昨年2着があるコースと頭数は合うと思うので細かい部分に気を付けたい。
日曜は新潟で7鞍に騎乗します。1Rのワイルドオーキッドは素直で器用に立ち回れそうな馬なので距離短縮は気になりません。馬体さえ維持できていれば頑張ってくれると思います。5R(2歳新馬)のマイネルセリオンは気持ちが入りきらず、なかなか時計が詰まってこない現状。いい走りをするので慣れとともに変わってくるとは思いますが、初戦に関しては強気なことは言えません。8Rのキューンハイトはどうしてもスタートでシュッと進まないので、前走の福島1800mがやや忙しかったという印象。1ハロンの距離延長は歓迎で、そろそろ降級の力を見せてくれるはず。9Rのタイドオーバーは長い休み明けから3走目。走り慣れている左回りで前進に期待しています。12Rのネコワシの前走は、周りに気を使って自分でブレーキをかけてしまったという印象。間隔が空いている部分は気になりますが、何度も乗せていただいている馬でコースはマッチすると見ています。
週末まで続きますが、ここ数週間はとにかく移動が多かった。特に寄り道などもせず気持ちを競馬に集中したものの、納得する結果を得ることができませんでした。言うならば、しっかり乗れている実感があるにも関わらず、勝利数だけが伴わなかったという福島開催でした。キッカケひとつで固められそうな感覚はあるので、それがアルママのデビューであったり、この開催場替わりであると信じて今週こそ流れを変えたいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。