一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
オールカマーはマイネルフロストに騎乗
2018/9/20(木)
3日間開催は勝つことができず、マイネルラッジョ(1人気2着)が最高着順。何としても最後に勝たせてあげたかった一戦でしたが、内と外の進路もあって悔やまれるクビ差。今後は地方に転厩してから中央戻り待ちになりますが、間違いなく先がある馬なので、改めてコンビを組める機会に期待したい。マイネルサーパス(2人気3着)は道中楽勝するかという手応えも、初戦と同じように最後の1ハロンで馬がブレーキをかけてしまいました。能力はかなり高いだけに、力を出せるような対策と乗り方を練っていかないとなりません。キューンハイト(5人気3着)の前半はいつものように行き脚がつかずに後ろから。上手く流れも向いてくれて、馬は持ち味を出しています。ワイルドオーキッド(4人気3着)は今回も前向きに一生懸命頑張っています。相手関係ひとつで、勝てるチャンスが訪れるはずです。
この土曜は中山で9鞍に騎乗します。3Rのアナザークイーンの初戦は終始戸惑いながらで苦しい手応え、それでも最後まで脚色劣えずに踏ん張りました。慣れが見込める2走目で、改めて差のない競馬に期待しています。4Rのツァイトライゼは前回乗せていただいた際で右にモタれる癖を把握しています。1200mは少し短い感じも見受けられますが、右回りで流れに乗れるようならチャンスもあるはず。6Rのファシナンテは前走の地方交流レースが案外の内容。力はある馬なので、距離延長がプラスになるような乗り方を心掛けます。
9Rのコスモピクシスはベスト条件だとは思いますが、ペースが流れてほしいところ。手頃な頭数で、春だけ走ってくれれば前進がありそう。11Rのスペチアーレはメインレースで有難い依頼。千直からのローテでダッシュがつくはずなので、しっかりと研究してより良い結果を出したい。12Rのマイネルユニブランの前走は0秒1差の2着で進境を示していました。ブリンカー効果もあったようですね。自分のリズムで走らせて押し切りを狙います。
日曜も中山で9鞍に騎乗します。オールカマーのマイネルフロストの中間は跨っていませんが、ここ2戦が思っていたような内容ではなかったので、間隔を空けたことがプラスに向いてくれませんか。復調すれば通用すると信じているので、引いたり出したりせずこの馬にとって楽な立ち回りを心掛けます。3Rのスーパースナッズはもうひとつの内容が続いて今回が初ダート。いいほうに出てくれることを信じてチャンスを掴みたい。5R(2歳新馬)のマイネルゾンタークは1週前に乗せていただいて時計的には動けたものの、終始余裕がない手応えでした。使ってからのほうがより良さそうなタイプに思えるので、次に繋がる内容を意識したい。
6Rのピンキージョーンズの前走14着は休み明けの分だと思います。降級馬でもあり、使って良くなっていれば力は上のはず。7Rのマイティワークスの前走は相手が悪かったという印象の2着。1400mが最もマッチした距離ですが、そこを上手く流れに乗せて勝利を狙いたい。8Rのマイネルレンカの前走は、思っていたよりも前半力んでしまいました。それでも内容ある4着だったので、あの部分をフワッと走らせてあげられれば勝ち負けに加われるはず。9Rのマイネルエキサイトは少頭数を活かして、できれば自分のリズムで走らせたい。前2走は新潟でしたが、坂のある中山コースでよりしぶとさを発揮させられれば通用するはず。
今度の日曜中山競馬場はフリーパスの日で、最終レース終了後に毎年恒例のジョッキーカーニバルがあります。現時点でどの種目に参加するかは把握できておらずですが、負けず嫌いのジョッキー達が競馬以外でも熱くぶつかり合います。昨年は椅子取りゲームで一番になれたという記憶が残っており、今年も優勝を狙います(笑)。まだまだ若手には負けてられません!是非、競馬観戦後までお付き合いください。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。