一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
力が入る2018東京オーラス週
2018/11/22(木)
先週はマイネルサンタアナ(5人気)で勝つことができました。新馬以来の騎乗でしたが、この5ヶ月で大分しっかりしたというのが率直な感想。新潟1200mは忙しいように見えたので、距離延長かつ広い東京コースのワンターンもマッチしたのだと思います。ブルーグローブ(7人気4着)はペースがかなり遅く折り合いを欠いたシーンもありましたが、それでも最後はメンバー最速タイの上がりの脚を使っています。調教で感触を得ていましたが、競馬に行くとより走ってくれる馬でした。東京スポーツ杯2歳Sのナイママ(10人気13着)は跨った直後よりテンションが高くなり、返し馬から燃えすぎて舞い上がっているようでした。久々で初めての競馬場だった影響があったのか道中の手応えも案外で、仕掛けてから反応することができず。能力はこんなものではない馬なので、巻き返しに向けて策を考えていく必要がありそうです。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。3Rのコスモアイトーンはいつも前半モタモタしてしまうので、距離が延びるのは歓迎。堅実に走ってくれるタイプですが、願わくば展開も流れてほしいところ。10Rのマイネルエスパスはクラスが上がってからムラこそあるものの、東京1400mはマッチしている舞台。ハンデ54キロも手頃なので、いい競馬になるイメージです。11Rのマックスドリームはかなり久々だなと思って調べたところ5年ぶりの騎乗。前走が障害で長い休み明けとはなりますが、メインレースでありがたい依頼。少しでも見せ場をつくれるように頑張ります。
日曜も東京で5鞍に騎乗します。1Rのスペキュラースはもう一歩というレースが続いています。競馬が上手く好位で進められそうなので、このタイミングで何とか勝たせてあげたい。2Rのマイネルファイヤーは体が成長途上なため追い出してから反応しきれない面がありますが、1ハロンの距離延長で流れに乗れそうなイメージ。3戦目で上積みも大きいはずなので前進できると思います。
3Rのレオンドーロも惜しい競馬が続いています。間隔は空きましたがいい状態と聞いており、改めて勝ち負けに持ち込めるはず。8Rのフロムマイハートはブリンカーを着けた前走で活気が戻ってくれました。ベストはこの1800mだと思いますので、ハンデを活かしてヨーイドンの競馬にならないように立ち回りたい。10Rのマイネルファンロンは昇級戦の前走で力があるところを見せてくれました。とにかく折り合いがポイントなので、道中ハミを抜いてリラックスした走りができるようにエスコートしたい。細かいところに気をつけて乗れれば、このクラスも通過点にできると思っています。
今週は自分にとって最高のリフレッシュタイムである葉加瀬太郎さんのコンサートに行ってきました。こちらで話題にするのも何度目でしょうか、場所もお馴染みのBunkamuraオーチャードホールです。50歳の記念ツアーということですが、今回も盛大に盛り上がって楽しかった。12月30日にはソロのヴァイオリニストとしては初の武道館コンサートもやられるそうで、職種は違えどいい刺激になりますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。