一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
嬉しかったアルママの勝利
2019/3/28(木)
先週はやっとアルママ(2人気)で勝つことができました。内枠からスタートも良くすんなりと流れに乗れましたが、目標がなかった前半はフワフワと集中しきれず。そういった意味で、途中から2着馬が動いてくれる展開は理想的でした。追いかける形になってからはいいリズムになりましたし、着差以上に内容もあったと思います。相手なりに頑張ってくれるタイプなので、クラスが上がって強い先行馬がいたほうが展開とかみ合いそう。この勝利をキッカケに、馬と一緒に成長していきたいです。
マイネルツァイト(6人気2着)もとにかく集中してスタートが決まり、この馬の持ち味は活かせたと思います。今回のアプローチが板につけば、1勝馬クラスは抜けられる馬です。マーチSのマイネルオフィール(14人気15着)は流れに乗せた後、その位置をキープするのに一杯一杯。重賞に入ってメンバーの違いを感じましたし、直線で外に出せる枠順のほうが最後に頑張れるタイプです。
この土曜は中山でシックガニアン(5R)に騎乗します。脚の使い所が難しいタイプではありますが、6度目のコンビともなれば持ち味は心得ています。東京よりは中山が合っているイメージで、どのタイミングでポジションを上げられるかがポイント。集中してひとつでも上の着順を目指します。
日曜も中山で4鞍に騎乗します。1Rのモーンストルムの前走は、馬が気持ちの面で疲れていると感じました。ひと息入れたことで状態面さえ整っていれば、今の未勝利なら能力は上だと思っています。5Rのマイネルイヴィンスの前走は勝ち馬が強かった。馬体も絞れてこれまでで一番の内容でした。本当に相手関係と流れひとつ。勝たせてあげたい一戦です。9Rのマイネルヴンシュは長期休養明けの前走が素晴らしい内容で、反動なく追い切りの動きも良かったと聞いています。準オープンでも実績があり当然のトップハンデとはなりますが、力の違いを見せて押し切りたい。
今年は一貫して中山と東京で騎乗してきましたが、来週は開幕週となる初日(土曜)の福島にレオンドーロとのコンビを主に参戦させていただく予定。かねてから言っているように大好きなコースなので、移動などの時間を含めて楽しみにしています。先週も話題にさせてもらった桜が今週末こそは見頃。ドバイワールドカップデーと重なりファンの皆さんも忙しいかもしれませんが、是非とも競馬場にお越しください。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。