一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
京都新聞杯はナイママに騎乗
2019/5/2(木)
平成最終週となった3日間開催は、新潟のボーイズオブサマー(5人気)で勝つことができました。メンバーが揃っていた一戦でしたが、最後までしっかりと脚を使っています。前走よりも反応が良くなっており、いいタイミングで乗せていただけたことに感謝します。ウインフェニックス(9人気2着)は気持ちひとつだとは思っていましたが、ブリンカー効果が覿面で最後まで走りきってくれました。時計面の裏付けがあったとはいえ、改めて地力を感じました。青葉賞のアルママ(13人気15着)は、状態は維持できており距離延長にも対応できていた印象。ここからというところで反応しきれなかったのは、現時点の力差なのだと思います。まだまだ将来がある馬なので、充電した後の成長に期待したい。
この土曜は京都で4鞍に騎乗します。京都新聞杯のナイママは皐月賞からの中2週となりますが、ダメージなく元気一杯で、すぐにここへ向けて調整を進められました。引き続きの強敵相手とはなりますが、馬自身がG1のペースを経験したこともあり、追走面から距離延長はプラスに出るはず。前のレースまでの馬場傾向を考慮しつつ、何としても賞金加算してダービー出走を見据えたいところです。
日曜は東京で9鞍に騎乗します。1Rのマイネルイヴィンスは前走もそうでしたが、最後まで気持ちが続かない部分があるため今回はブリンカー着用。今の雰囲気であれ東京コースにも対応できるはずなので、善戦ではなく勝利がほしい一戦です。3Rのコスモアイトーンは前走の福島戦がいかにも忙しかったという印象。広い東京の1800mであれば巻き返せるイメージです。5Rのスペキュラースは未勝利を東京1400mで勝っているように最もマッチする舞台。クラスにも目処が立っており、展開がかみ合いそうな少頭数で自ずと力が入ります。
7Rのスターオンザヒルは一年振りに乗せていただきます。使い詰めを立て直されての一戦となりますので、僕自身もフレッシュな気持ちで次に繋がるようなアプローチを心掛けたい。8Rのマイネルズイーガーは脚の使い所が鍵になりますが、ペースを握りやすいという点で東京コースは合っています。馬が最後まで苦しくならず、もうひと脚を使えるように持っていきたい。9Rのアンノートルは追い切りに乗せていただきましたが凄く良くなっていて、以前に比べての上昇度に驚きました。窮屈になってしまった前走を度外視すれば、連勝で準オープンまで上がってきた勢いにも納得。東京コースで勝たせてもらったいいイメージもあり、スムーズに立ち回れれば十分通用すると思います。
3日間開催は最終日に勝たせてもらったこともあり、ゴールデンウィークで新潟まで来ていた家族と一緒に月岡温泉や大内宿に立ち寄って、大好きなねぎそばを食べるなど(大混雑を除けば)リフレッシュすることができました。改元に関しては普段どおりのルーティンで迎えてしまいましたが、令和開幕週がより記憶に残る結果となるように頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。