一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
七夕賞はウインテンダネスに騎乗
2019/7/4(木)
夏競馬開幕週はラジオNIKKEI賞のマイネルサーパス(9人気)が最高着順。内容ある2着とはいえかなりノメっており、あのコンディションがプラスになったわけではありません。良馬場だったらと思うと悔しいです。スタートが決まって道中の立ち回りも上手くいき、抜け出してからもソラを使っていません。久々の騎乗でしたが馬は成長して、丹内騎手が競馬を教えてきた成果も出ていました。コスモインペリウム(4人気3着)はスムーズに流れに乗れて、上手な競馬ができました。初勝利に向けて一歩前進できたと思います。マイネルザウバア(3人気3着)は1コーナーで他馬に絡まれてしまったのが惜しまれるも、改めて小回りコースの適性は感じました。使った上積みもありましたし、次走こそは何とかしてあげたい。
この土曜は福島で8鞍に騎乗します。6Rのアイアンゾーンは東京1400mだった前走内容からも、小回りコースの距離短縮は合いそう。気持ちが前向きな馬なので、流れに乗せてもうひと脚という競馬をしてあげたい。8Rのラプターゲイルも毎回一生懸命に走ってくれるのですが、東京であれば小回りコース向き。福島は初めてですが、いかにも合いそうなイメージだけに前進を期待しています。
9Rのマイネルアルケミーは休み明けで中間にも跨っていませんが、久々は苦にしなそうなイメージ。福島1200mの適性は高く、流れに乗せていけば自ずとチャンスを掴めそう。10Rのマイネルキラメキは半年以上の久々も、数週前の追い切りに乗せていただいた段階で精神的な成長を感じました。距離短縮になりますが、ここのところのスタートと感触からもいい競馬ができるはず。11Rのプレミオテーラーは自分のリズムで走ればしぶとい馬なので、少頭数のハンデ戦(52キロ)は何より。道悪は上手なので、そのあたりもかみ合ってくれませんか。
日曜も福島で8鞍に騎乗します。七夕賞のウインテンダネスには1年8ヶ月振りの騎乗で、馬にとっても小回りかつ2000mは久々。ただ、重賞を勝っている地力があり、目黒記念を使ってかなり調子が上がったと聞いています。跳びが大きくて瞬発力勝負になると分が悪いので、何より仕掛けのポイントに気をつけたい。前回7月7日の七夕賞(2013年)はマイネルラクリマで勝たせていただいており、思い入れのあるレースです。2Rのマイネルワルツの初戦は口向きの関係でコーナーリングが上手くいかなかった。今週の追い切りから矯正の意味でハミを換えており、右回りと相まってスムーズにいけば巻き返せませんか。6R(2歳新馬)のコスモテキロはゲート試験から乗せていただいているゴールドシップ産駒。先入観よりも素直で、コントロールしやすいタイプ。使って良くなりそうな感もありますが、追う毎に上向いており、現状の力は初戦から出してくれると見ています。
早いもので、週明けの8日(月)と9日(火)はセレクトセール。今年も月曜にノーザンホースパーク入りし、火曜朝のビッグレッドファームの調教騎乗を兼ねて、凄い世界で勉強させてもらってきます。来週の更新に事欠かぬような現地ネタを集められるように頑張ります(笑)。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。