一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
楽しみな馬たちが揃いました
2019/7/11(木)
先週はマイネルキラメキ(4人気)で勝つことができました。 調教から感触が掴めていましたが、7ヶ月振りがむしろ上手くいったというパターン。馬体に伴って気持ちが成長しており、2000mでも忙しくなく勝ち切れたのは収穫でした。クラスが上がる次走も楽しみです。七夕賞のウインテンダネス(9人気9着)はスタート直後からかなりノメっており、距離やコース形態からも色々とかみ合わなかった。叩き2走目で状態の良さは感じ取れただけに、馬にとって可哀想な敗戦でした。しかし、条件さえ整えば、大きく変われそうな感触を持てたことも確かです。
この土曜は福島で8鞍に騎乗します。1Rのコスモカッティーボは2走目の前走が使われた上積みを感じられるレース内容。引き続き順調にきており、1200mに対応できればさらに前進できそう。5R(2歳新馬)のマイネルラクスマンは2週続けて乗せていただきましたが、ゆったり走る馬なので、使いながらのタイプかもしれません。1800mのデビューはマッチすると思いますが、少し長い目で見てあげたい。7Rのコスモビックラコグは5ヶ月振りになりますが、1800mに延びるのは歓迎材料。跳びが大きく小回りへの対応が鍵になるものの、未勝利では力が上の馬なので頑張りたい。
8Rのアドアステラの前走は外枠とかみ合っていい勝ち方でした。相手なりに走れる馬なので、昇級でも流れに乗っていけるはず。コーナー4つなら枠順は気にならないので、今回も楽しみにしています。9Rのマイネルザウバアの前走は同型との兼ね合いで、前半のロスが最後に響きました。改めてコース適性が掴め、道悪に関しても心配がない馬。行っても控えてものイメージがあるので、このタイミングで勝たせてあげたい。10Rのマイネルクラフトはここ2走が安定して走れています。急かせるよりもジワッと進めたいタイプで、いかにリズム良く走らせられるかが鍵。小回りなら尚更、周りの動きに惑わされないように気を付けて乗ります。11Rのハニージェイドは短距離で鋭い末脚を使える印象の馬。前走は距離が長かったように見受けられたので、しっかりと研究して持ち得る力を発揮できるように臨みます。
日曜も福島で7鞍に騎乗します。2Rのグランデエスの前走は右回りと距離延長で戸惑いがあったのか、もう少しやれると思っていました。同じコースの続戦でイメージは掴めており、もう一歩前進させてあげられそう。3Rのコスモタイシは使って馬の状態が上向いたと聞いています。初戦は前半流れに乗せていくのが大変だったので、レースを覚えてすんなり進んでくれるようであれば際どい結果になりそう。
6Rのビジュティエの初戦は後方一気で凄い脚。2戦目でよりテンションが上がる可能性があるタイプなので、それを抑えつつ競馬に臨みたい。この馬もスタートして流れに乗れるかどうかが課題ですが、余り有る末脚を活かせれば勝負になるはず。8Rのシュピールカルテはモマれると良くない馬で、気持ちを乗せながら走らせてあげられるかどうかがポイント。スタートに気を付けて、すんなりの競馬を心掛けます。11Rのエントリーチケットの前走は、重賞の流れも相まって前半でついて行けず。ただ、あの経験がここなら活きるはずで、小回りの平坦コースかつ荒れた馬場も得意な部類。何とか巻き返したい一戦です。
先週書かせていただいたとおり、8日(月)と9日(火)はノーザンホースパークで行われたセレクトセールに行ってきました。今年も2日間ともレコードの大盛況で、見ていると金銭感覚が麻痺してしまいます…。そんな中で、僕が気になったのは(写真にも載せる)ホエールキャプチャの2019。やはり、全兄弟であるアルママの当歳時に凄く似ているんですよね。4600万円で落札されていました。なかなかお世話になっている馬主さんにお会いする機会がないので、ご挨拶させていただく場としてもこういったセリは有難い機会。目映りする凄い馬に乗ってみたいと思わされる一方で、より頑張らなければという気持ちが漲ってきました。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。