一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
新潟記念はケントオーに騎乗
2019/8/29(木)
先週は新潟で勝つことができず。乗っていて上手くいかなかったという週ではないものの、結果としてかみ合わずで、こんな時だからこそ気持ちを切り替えて夏最終週に臨みたい。とりわけマイネルイヴィンスを勝たせられなかったのは悔やまれますが、そんな思いをこの週末にぶつけたいと思います。
この土曜は新潟で9鞍に騎乗します。1Rのステラドーロはハナ差で敗れた前走後も順調にきており、改めて追い切りで感触を掴めています。最終週と相まって頭数もメンバーも揃いますが、ロスのない立ち回りを心掛けて押し切りたい。2Rのマイネルティプトンの初戦は見せ場なく終わってしまいましたが、使われて良くなっていきそうなタイプ。上積みは見込めるので、次に繋がる内容にしてあげたいと思います。
5R(2歳新馬)のマイネルミンドールは1週前の追い切りに乗せていただきましたが、お馴染みの兄弟に負けず劣らずのいい動きをします。能力を感じますし、仕上がりも凄く良いので、初戦からいい競馬ができるはず。8Rのラフレシアレディは格上挑戦(未勝利馬)。強気なことは言えませんが、ひとつでも上の着順を目指して頑張ります。10Rのマイティーワークスの前走はブリンカー効果もあり、合うと思っていた舞台で好走。1ハロン短くなりますが、そもそも500万は1200mで勝っています。ハンデも53キロ、流れに乗せて勝ち負けに持ち込みたい。
日曜も新潟で6鞍に騎乗します。新潟記念のケントオーは、より相手が強いG2でも走り慣れている馬。距離にも融通性があって、十分に対応できる条件だと思います。同期の和田騎手が乗っていた馬なので、よくリサーチしてイメージを持って臨みます。2Rのサクラザチェンジは楽ではないローテで、馬もここが一番苦しいはず。そんな中でもうひと踏ん張りさせてあげられるよう、気持ちを込めて乗ってあげたい。それは6Rのコスモビックラコグも同様。1ハロン短縮になるので、前半の位置取りが鍵。よーいドンの競馬になると分が悪いので、少しでも雨が残ってほしいところです。9Rのシュピールカルテはコンスタントに使われながらも調子落ちなく、前走はよく凌いでくれました。この馬も脚抜きがいい馬場が得意で、新潟コースとはマッチします。昇級でも差がない競馬をしてくれませんか。
今週の休日は息抜きを兼ねておっさんずラブの劇場版を観に行ってきました。楽しませてもらっていたドラマの続きですが、期待を裏切らない内容で、いいストレス解消になりました。来週は自分にとって待望の秋、中山競馬が開幕。いい結果を残して大好きな開催に向かえるよう精一杯頑張ります。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。