一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
有馬記念ウィークですね
2019/12/20(金)
先週はスマイルカナ(6人気)で勝つことができました。ハナに行く予定ではなかったのですが、内枠でスタートが良かったので、無理に抑え込まずにリズム良く走らせることができました。休養明けを一度使ったことでガスが抜けており、ゲート裏の感触で「これなら落ち着いて走れる」と自信を持って臨めました。来年を見据える意味でも大きな1勝だったと思います。アンノートル(10人気5着)はブリンカー着用で距離を延ばしましたが、道中の手応えは今ひとつ。それでも、休み明けからのここ2戦に比べると内容は良くなりました。この競馬をキッカケに改めて次走で頑張ってほしい。
この土曜は中山で6鞍に騎乗します。1Rのマイネルグッドデイは休養で立て直したことと、ダート替わりでどこまで変われるか。適性を掴めれば、もう少し頑張れるはずの馬です。2Rのアルヒミストは馬を気にしているのか、前2走は道中の進みが今ひとつ。初戦の内容を考えても、同じ場所の同じ距離で慣れが見込めれば、あんなに走れないはずはありません。
3Rのマイネルパイオニアは使いつつ馬がしっかりしてきました。前走内容が良く、まだ上積みもありそうなので、もうひとつ上のパフォーマンスに期待しています。4Rのマイネルエピキュアも使いつつ動ける体になってきました。中山コースは合いそうなイメージがあるので、もう一歩の前進を目指したい。9Rのコスモリモーネは追い切りに乗せていただきましたが、動きと状態は申し分ありません。前走はゲートの中で待たされた影響があったようで、スタート後の進みが良くなかった。本来はああいったタイプではないので、スタートを決めて上手く流れに乗せていきたい。
今週はマスコミの盛り上がりやトレセン見学の数なども、さすがは有馬記念ウィークという感じ。今までにないくらいの豪華メンバーで楽しみにしつつも、一番乗りたいレースなので悔しさが募ります。そんな気持ちは同じコースのグットラックハンデにぶつけようと思いますが、最初のスタートで左右されるため枠順と、その後をリカバリーする馬の器用さがポイントになります。トリッキーで難しいコースになりますが、ジョッキーの腕の見せ所でもあり、観ていて勉強になる有馬記念にもなりそうです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。