一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週は中京で騎乗します
2020/3/26(木)
先週はマイネルポインター(2人気)で勝つことができました。前走は色々な関係者に迷惑をかけてしまったので、再度チャンスをいただけたことに感謝し、どうしても勝ちたかった。その前走より状態が上がっていましたし、次走からが改めて楽しみになりました。マイネルイリャルギ(3人気2着)もスムーズに立ち回れましたが、勝負所で勝ち馬がもうひと伸び。時計的にも及第点で、相手ひとつという段階まできています。スプリングSのエン(8人気9着)はこの馬なりに状態は上がっており、いい位置で進めることもできました。南半球産なので、現時点で重賞に入ると完成度の差を感じましたが、先々へ向けての期待は変わることがありません。
この土曜は中京で4鞍に騎乗します。2Rのマイネルチューダはひと息入りましたが、中間の追い切りに乗せていただいて状態の良さを確認しています。左回りも問題ないので、あとひと押し利かせられる乗り方を心掛けたい。6Rのマイネルミュトスは展開面に左右されるところはありますが、同じコースの前走で感触を得ています。結果を出してあげたいタイミングです。12Rのコスモエスパーダは前走もそうでしたが、緩いぐらいの馬場がマッチします。この馬とすれば下り坂の天候も歓迎で、勝たせていただいたイメージのまま臨みます。
日曜も中京で6鞍に騎乗します。4Rのマイネルスタイルの前走は道悪に苦しんでいた印象。再度の雨予報ではありますが、何とかキッカケを掴みたいと思っています。5Rのセイドアモールは使いつつ状態を上げている段階。1勝クラスに対応するスピードは見せており、続けての騎乗を楽しみにしています。9Rのマイネルインパクトの前走は順当勝ち。成長途上ではありますが、出世してくれるはずの馬なので、昇級でも目途を立てられればと思っています。12Rのサンタナブルーは2勝クラスではどうしても展開に左右されてしまいます。流れを読みつつ仕掛けのタイミングに気をつけたい。
新型コロナウイルスが猛威を振るっており、とにかく今は外出を控えて、レースに影響が出ないよう自宅で体のケアとトレーニングをしています。無観客でも競馬を続けられていること自体が有難いので、サークル内でより気持ちを引き締めて、この脅威に立ち向かっていきたい。今週から始まるG1シリーズも精一杯の騎乗をしますので、ファンの皆さんも、ご自宅から応援をよろしくお願いします。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。