一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
引き続き福島で騎乗します
2020/4/23(木)
せっかくいい状態だった福島の芝コースですが、大雨で一気に掘れてしまって、大分外が伸びる馬場になってしまいました。今週は晴れているので極端な外伸びにはならないと思いますが、ほとんど芝のレース騎乗なので、早い段階で傾向を見極めたい。先週からは新型コロナの感染リスクをなくすために福島競馬場まで自分の車で移動しており今週、来週もそうさせてもらいます。高速道路沿いには桜が咲いていて、綺麗だったが故に複雑な気持ちになりました。来春までには全世界が穏やかな状況になっていてほしい。自分にできることを粛々と続け、精一杯の競馬を見せていきます。
この土曜は福島で3鞍に騎乗します。6Rのマイネルイリャルギは毎回堅実に頑張ってくれる馬。平坦コースであとひと押しという部分を補ってあげられれば。ここで勝たせたいという一心で臨みます。12Rのマイネルキラメキは昨年9月以来の実戦になりますが、今週の追い切りに乗せていただいて仕上がりの良さを確認しています。大人びて集中力が増した上で素軽さも感じました。福島コースも合うので、緒戦から頑張ってくれると思います。
日曜も福島で4鞍に騎乗します。2Rのコスモビートイットの前走は、直線の不利が大きく勿体ないレースでした。12キロ増を使った上積みもあるでしょうし、スムーズな立ち回りで勝利を目指します。9Rのコスモミローディアは力がある馬なのですが、脚質的に極端な部分があります。コース替わりと距離延長で上手くかみ合わせてあげたい。少頭数は合うタイプだと思います。10Rのマイティウェイはここ2週の追い切りに乗せていただき、申し分のない動きをしています。感触的には昇級してからの成績が不思議なほどなので、このタイミングで目途を立てられませんか。
正式にオークスへの参戦が決定したので、スマイルカナの続報を。桜花賞後は美浦トレセンに戻っており、在厩で調整中。今週までは体を戻すべく軽めに終始しましたが、来週からまた付きっ切りで乗せていただき、2400mに対応できるイメージを考えながら作っていきます。この馬と戦っていける喜びを噛みしめ、一日一日を大事に取り組んでいきたい。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。