一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
今週から福島で騎乗します
2020/7/2(木)
東京最終週はニーヨル(4人気)で勝つことができました。調教にずっと乗せていただいており、やれることはこなしてのデビュー。教えてきたことが全てできており、軽い馬場もこなして申し分のない内容でした。抜け出してからは物見する余裕まであったほどで、まだまだこれからが楽しみです。コスモカルティエ(5人気3着)は馬場を苦にしていなかったので、直線もそのまま内を回ってきました。調教の感じよりも前半ブレーキをかけながら走っている印象があり、レースを覚えて自分からハミを取ってくれれば、もうワンランク上の走りができるはず。マイネルソラス(3人気3着)も道悪は全く苦にしていませんでした。このレースに関しては先着された2頭が強すぎたという印象。力を出し切っての結果だったと思います。
開幕週の土曜は福島で6鞍に騎乗します。 6R(2歳新馬)のマイネルレスペトは1週前の追い切りに乗せていただきましたが、気持ちが前向きな馬で動きもしっかりしています。少し緩さがあるので使ったほうがより良さそうですが、初戦とすれば十分に走れる態勢にあります。7Rのコスモタイシは力がある馬ですが、やはり東京2000mだと上手く対応できません。良績も福島や中山の右回りに集中しており、コース替わりで改めて期待しています。
9Rのマイネルコロンブスはまだ掴みきれないところもありますが、スタミナがある馬で距離延長は歓迎。初コースでも福島2600mはマッチしそうです。願わくば前が流れてくれる展開になってほしい。11Rのマイネルツァイトは使ったほうがいいタイプなので、休み明け2戦目での前進に期待。ただ、福島1700mは忙しい感じもあり、前半で流れに乗せていけるかがポイントです。12Rのマイネルパッセは2年振りの騎乗になります。ここ2戦の結果が案外も、福島1200mは間違いなくベスト。当日の状態によるところが大きいとは思いますが、このタイミングでキッカケを掴んであげたい。
日曜も福島で5鞍に騎乗します。 3Rのユニティコは昨夏のデビューですぐに勝てると思っていた馬。使って良くなっていくタイプではありますが、極端に馬場が悪くならなければ力を出せるはず。7Rのリメインオブザデイは自分のリズムで走らせたほうがいいイメージ。先手を取りやすくなる2000mは競馬しやすそうなので、あとは体が減らずに出てきてほしいところ。
9Rのマイネルプリンチペの前走は、久々よりも新潟コースの外回りがマッチしなかったという印象。実績や先行力からも福島1800mは一番合っている舞台。とりわけ力が入るタイミングです。10Rのマイネルアルケミーは小回り1200mがベストなのですが、ここ2戦が案外。詰めて使ったほうがいいタイプでもあり、中2週のローテなら巻き返せる力を持っている馬です。
新型コロナウイルスの歯止めがきかず、この更新前に2日(木)の東京都は107名が感染と発表されました。今開催は無観客が決まっていましたが、ファンの皆さんと競馬場でお会いできるのがまた遠のいてしまいそうで複雑な心境です。今週からの遠征は感染リスクをなくすために車で移動します。とても重要な局面だと感じますので、改めてご自宅で競馬を楽しむ週末にしていただければと思います。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。