一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
改めて新年初日で決めたい通算500勝
2021/1/3(日)
明けましておめでとうございます。2021年も柴田大知をよろしくお願い申し上げます。早速ですが、年末最終週から振り返りたいと思います。マイネルミュトス(4人気2着)は何度も乗せていただいている馬で、それらを踏まえてイメージどおりには乗れたと思います。勝ち馬に上手く立ち回られてしまった印象ですが、力があるところを示してくれました。マイネルタイムリー(1人気2着)も地力を信じた強気な競馬で後続は5馬身離しているのですが、惜しむらくはまた1頭強かった。本当に相手関係ひとつという段階です。そんなラインナップで昨年中に達成しておきたかったのですが、現在JRA通算499勝で500勝にリーチ。しかし、年始1勝目がメモリアルになると前向きにとらえ、改めて新年初日で決めたいと思っています。
1日目の火曜は中山で6鞍に騎乗します。1Rのマイネルレスペトの前走は、ブリンカーを外したことが裏目に出てしまった格好。集中力を欠いてしまったので、改めて装着する今回は力があるところを見せてくれるはず。2Rのサザンジンジャーの初戦は心身共にまだ若く、自分の力だけ走り切れませんでした。思い切って間隔を空けたことによる気性的な成長に期待しています。4Rのマイネルレンカは休み明けを使いつつ状態面が上がってきました。3戦目でまだ上積みがあるはずなので、もうひとつ前進に期待しています。
5Rのコスモマインはこの中間も元気一杯で、それでいて追い切りでは集中力が増して遊ばなくなってきました。勝利あるのみという気持ちで臨みます。7Rのアオテンの前走は、9着という着順以上の内容だったと思います。急坂がある中山のほうが向きそうなので、あとは少しでも展開が流れてほしい。12Rのレオンドーロは毎回崩れずに一生懸命走ってくれます。本当にあとひと押しという段階なので、合っている今の中山の馬場を味方につけて勝たせてあげたい。
この年末年始は大掃除をメインに過ごし、競馬前に行きたい初詣も状況的に我慢して自宅で英気を養いました。昨年は年明けと年末に重賞こそ勝たせてもらったものの、途中までのペースを思えば26勝という勝ち鞍には満足していません。後半は弱点と欠点を研究しながら補えてきたという実感があるので、毎年言っていますが今年こそ年間60勝を目指してレベルアップしたい。そして、どうしても日本ダービーには騎乗したいので、そういった巡り合わせを結果で掴みたいと思っています。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。