一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
東京で土日17鞍に乗せていただます
2021/2/4(木)
先週は根岸Sでダイメイフジ(16人気14着)に乗せていただきました。出して行ってほしいというオーダーでスタートは良かったものの、行き切れずにあの位置で追走。馬は頑張っているのですが、結果的に差し有利の流れになってしまいました。一生懸命で活気はあったので、芝ダート問わずに展開的なところでかみ合えば、この先もチャンスがあると思います。そして、開幕週の芝コースは硬い感じこそしなかったものの、根付きが良くて馬に走りやすい馬場で速い時計が出ていました。脚元には悪くないと思うのですが、瞬発力がないとなかなか対応できないコンディション。週中の天気から今週も傾向は変わらないかもしれませんね。
この土曜は東京で10鞍に騎乗します。1Rのグルナピークは競馬で初めて乗せていただきます。前2走の内容からも、このコースの牝馬限定戦は絶好の舞台。研究はしていますが、頑張りたいですね。3Rのマブサンシティーは初戦の芝で乗せていただきましたが、今回はダートでの2走目。芝スタートのコースかつ距離延長はいいと思うので、間隔を空けたことによる変わり身に期待したい。5Rのマイネルスキーブは初の2400mですが、スタミナがあるので距離延長は歓迎。瞬発力勝負になると分が悪いタイプなので、そのあたりをカバーできるような乗り方を心掛けます。
7Rのアドゥシールは転入してきてから初めての芝。ダートとはいえ2走前の末脚には見所がありました。どうしても展開に左右されてしまうので、上手く流れが向いてほしい。10Rのコスモヨハネは前2走の中山コースの走りが案外。9歳を迎えましたが馬はまだまだ元気一杯で、得意な部類の東京1400mならあんなことはないはず。久々のハンデ戦というのもいいですね。11Rのマイネルキラメキはクラスが上がって苦戦していますが、キッカケひとつで走れそうなイメージはあるんです。この馬もハンデ戦の2400mという条件は合っています。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。2Rのコスモコラッジョは初の2100m。ゲートの中に不安があるのでしっかり出して、折り合い面など細かいところに気を付けて乗りたい。相手関係ひとつだと思っています。3Rのウィズザワールドの初戦は、終いにしっかり脚を使えて言うことのない内容でした。東京コースも問題ないタイプだと思うので、勝ち負けの期待をしています。
6R(新馬)のコスモアディラートは今週の追い切りに乗せていただきました。南半球産で少し体の緩さこそありますが、動きと反応は良かったです。まず水準以上にはある馬で、今の態勢でもいい競馬をしてくれるはず。7Rのコスモオリは、未勝利をこのコースで勝っています。馬込みを気にするので枠順も大きなところですが、広いコース向きであることは間違いありません。12Rのコスモリモーネは芝でなかなか結果が出ないため、休み明けと相まって久々のダート戦。デビュー2戦の頃とは状態も違うはずなので、新味を出せればと思っています。
変わらずに競馬と調教と自粛のルーティンが続いていますが、特にこの時期は寒暖差が激しい。昼間は暖かくても朝と夕方はかなり寒いので、とにかく体調管理に気を使っています。久々に乗り鞍が少なかった先週のレース間は、ストレッチと風呂で暖をとっていました。そういった意味で、今週くらいの頭数に乗れるのは最高ですね。関係者の皆さんにはお手間をかけていますが、自分は全レースでも乗っていたほうがリズムを取りやすいタイプです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。