一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勢いに乗っていきたい東京開幕週
2021/4/22(木)
先週はマイネルミュトス(4人気)で勝つことができました。調教の動きが良くなっており、休み明けの昇級緒戦でも期待していました。相手なりに走れるセールスポイントを引き出すことができましたし、1勝クラスにいた期間を思えば、一発で2勝クラスを抜けられたのは本格化の証だと思います。ウイングウインド(8人気2着)は一度1200mを使って良くなっていましたが、それでも忙しさを感じました。東京コースに替わるのは大歓迎なので、次走はより力が入ります。コスモコラッジョ(1人気3着)は連闘で苦しがっていたのか、ゲートが開く寸前に態勢が悪くなってしまったのが悔まれます。その後のリカバリーは上手くいきましたが、スタートが全てですね。この馬も次走こそ決めてあげたい。
開幕週の土曜は東京で5鞍に騎乗します。1Rのバンブトンローズは休み明けを使った後の前走がグンと良くなりました。東京コースも走れている馬なので、3走目の上積みと相まってチャンスがあるはず。2Rのキョウエイアップは新馬で乗せていただいた時から、いい感触を掴めています。休み明けの分がどうかですが、次走も見据えつつ内容に拘りたい。5Rのコスモチョコラトルの前走は休み明けと初ダートもあったのだと思います。開幕週の時計勝負への対応が鍵になりますが、前付けして持ち味のしぶとさを活かしてあげたい。9Rのソスピタも前走は久々の分があったのだと思います。使ったことと気候面でカイ食いが良くなったと聞いており、得意の1400mかつ牝馬限定戦なら引けを取らないはず。
日曜も東京で5鞍に騎乗します。2Rのバラードインミラノの前走は他馬を気にして道中突っ張ってしまったので、この中間は併せ馬で慣らしながら馬の後ろで我慢させて直線伸ばすという、いい内容の調教ができています。ひと追い毎に動きが良くなっており好仕上がりで臨めます。6Rのマイネルキュリアスは開幕週の時計勝負がどうかですが、もう少し頑張れていいイメージがあります。持ち味である先行力としぶとさを活かしてあげたい。8Rのマイネルプリンチペは大分間隔こそ空いていますが、気持ちと体がリフレッシュして戻ってきました。続けて追い切りに乗せていただいており、緒戦から頑張ってくれそうな感触です。10Rのバンブトンハートは今週の追い切りに乗せていただきましたが、久々だった2走前に比べるとかなり上向いています。1400mの流れに対応させて、少しでも展開が向いてくれればチャンスもありそう。
お客さんが入って競馬場も活気づいてきていたのですが、今週から開幕する東京圏、阪神で開催している大阪圏と、新型コロナの感染者数がまた凄いことになってきました。緊急事態宣言が再発令されそうで予断を許しませんが、今までどおりに予防を徹底して、今開催も東京競馬場で乗っていく予定です。ヴィクトリアマイルに向けてスマイルカナも順調に動かし始めました。体はすっかり戻っており落ち着きもあるようで、来週から本格的に乗せていただく予定。人間が気負うことなく、いつもどおりの仕上げに徹していこうと思います。跨った感触などは、また改めて書かせてもらいますね。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。