一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
いい結果で締めくくりたい福島最終週
2021/7/15(木)
先週は2頭の新馬で勝つことができました。オンリーオピニオン(1人気)は調教で力があることが分かっていたので、主張して自分で競馬を作りました。やはり力の違いで押し切ってくれましたが、あれでも最後まで物見をしっ放し。先々が楽しみになる勝ち方でした。ケッツァー(2人気)はスタート然り道中もハミを取ってくれずスムーズな競馬ではありませんでしたが、最後だけ本気になってくれての差し切り。1200mでは多少忙しく遊びがあるので距離にも対応してくれそう。次走に向けて選択肢が広がりました。
この土曜は福島で2鞍に騎乗しますが5R(2歳新馬)のサバイバルアート、12Rのペガサスターボともにレースで初めての騎乗。パドックから返し馬で感触を掴みつつになりますが、とりわけ後者は筋の通った血統で、大井で3勝しての中央復帰。なかなかの競馬をしてきていますので、先入観を持たずに馬の力を出してあげたい。
日曜も福島で5鞍に騎乗します。5R(2歳新馬)のコスモブライヤーは何度か追い切りに跨っていますが、良くも悪くもテンションが上がってこない感じがあり、初戦から持っている能力を出してくれるかどうか。レースで頑張ってくれることに期待しますが、使いつつ目覚めてくるタイプかもしれません。7Rのマイネルグロンは前走で福島コースにも対応してくれて、感触を掴んで同じコースの中1週。何としても勝たせてあげたい一戦です。11Rのダイシンバルカンは昨年の同レースで乗せていただきました。当時は上手く脚がタマって0秒2差の4着。いいイメージが残っているので、今回もコース相性を活かして頑張ります。
今年は初詣に行けていなかったので、福島開幕週に合わせて2週間前に成田山新勝寺へお参りに足を運んでいたところ、先週は期待していた新馬で2勝。早速ですが週明け早々、お礼参りに行かせてもらいました。ご利益とはおこがましいですが、いい最終週にしたいと意気込んでいます。そうそう、今年のセレクトセールも凄まじかったですね。我が家の子供達もブームに乗っているウマ娘の人気を藤田晋オーナーの落札劇で感じつつ、シルバーステート産駒の高騰などは馬の乗り味や聞いている評判からも納得でした。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。