一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
東京競馬場で続戦していきます
2021/11/4(木)
先週はマイネルシトラス(9人気3着)が頑張ってくれました。使いながら良くなっており、返し馬から前走以上の感触がありました。合っている東京開催が続くので、次走はより力が入ります。シャノワール(3人気5着)は使われての状態良化に伴い、大分テンションが高くなっていました。今回は2000mでムキになりすぎたので、やはり1800mくらいのほうが合っているかもしれません。条件がかみ合えばすぐに勝てる能力はあるのですが、今後も当日の落ち着きが鍵になりそうです。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。2Rのチューウィーは元からいいモノを持っている感触があった馬で、ようやく前走で結果と結び付きました。あれがこの馬の能力。今回は牝馬限定戦になるので、勝たせてあげたいタイミングです。9Rのソスピタの前走は競馬に行って休み明けの分を感じました。今週の追い切りの動きも良く状態が上向いているので、ハンデ戦と相まって期待しています。
日曜も東京で7鞍に騎乗します。3Rのペルグランデの初戦は1400mで追走に苦労しました。距離延長と2戦目の上積みで前進がありませんか。6R(2歳新馬)のマイネルエールは続けて追い切りに乗せていただいており高い能力を感じます。ただ、前に前に気持ちが入りすぎているので、実戦に行ってのコントロールが課題。言い換えれば新馬向きの気性ではあるので、上手くかみ合うような乗り方をしてあげたい。9Rのケッツァーは距離が延びて競馬しやすくなりそうですが、中1週が続くので当日のテンションは気になるところ。少しでも上がりがかかってくれる展開が理想です。10Rのバンブトンハートは前走5着も、条件ベストのここまで待っての出走です。状態も維持できており、あまりよーいドンにはならず、長くいい脚が活きるような展開になれば届いてくれるはず。
今週から福島開催も開幕しますが、腰を据えて東京競馬場で乗っていきます。惜しい競馬はあるものの勝利にもう一歩という歯がゆい結果が続いているので、そろそろスッキリと勝ち切りたい。そして、この開幕週で北村宏騎手と松岡騎手が同時に復帰します。2週間前からトレセンでは顔を合わせて話もしていますが、復帰に向けての態勢は整っているように見えます。ライバルは増えますが、後輩とはいえ彼らが戻ってきてくれないと僕もいいベテランなので、ジョッキー仲間として嬉しいです。負けないように切磋琢磨していきたい。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。