一時は年間0勝というどん底を味わいながらも、今や大手の主戦ジョッキーとして活躍を見せる
不死鳥ジョッキー。諦めることなく復活を果たした男が日々の騎手生活を自らの言葉で紡いでいく。
勝手知ったる馬に多く乗せていただきます
2021/11/11(木)
先週は初めて乗せていただいたミルトイグニス(10人気4着)が好内容。新馬以来のダート戦がマッチした印象で、このレースで手の内に入れられた部分もありました。上手く権利を獲れたので次走が楽しみです。ソスピタ(10人気4着)も強敵相手によく頑張っています。今はカイ食いが良く、いい体をキープしながら出走できているので、そんなタイミングのうちに何とか勝たせてあげたい。
この土曜は東京で4鞍に騎乗します。2Rのランプロティタの前走は1400mでも流れに乗っていい競馬ができました。同じ舞台の牝馬限定戦で今回も頑張ってくれると思います。4Rのブルボンティアラは使いつつ体調が強化されてきました。追走が楽になりそうな1800mでもう一歩前進がありそう。7Rのマイネルヒッツェは未勝利を勝って、昇級緒戦の前走で1勝クラスに目途が立つ走りをしています。休み明けが鍵になりますが、むしろ夏を越しての成長に期待したい。
日曜も東京で9鞍に騎乗します。1Rのリュタンの初戦は人気に応えることができなかったものの、調教の動きからもこんなはずの馬ではありません。一度使っての上積みと1ハロン延長で巻き返しに力が入ります。2Rのシウラグランデの前走は着順(10着)ほど悪い内容ではありませんでした。まだ追い出してから上手く体を使えない部分がありつつも、気持ちが強い馬なので前進を見込んでいます。3Rのアケルナルスターの初戦は気持ちがフワッとしていてスタートがイマイチで、道中も自分から進んでいくところがなかった。それでも追ってからの反応には見所があり、2戦目で流れにさえ乗れればチャンスがありそう。4Rのフォーチュネイトは続けて乗せていただいた前走が文句なしの内容でした。体質が強くなって順調に使えているのが何よりで、勝たせてあげたいタイミングです。
8Rのコスモスタックの前走は展開が厳しくなったように見受けられました。しぶとさがある馬なので、ペースを守りながら先行力を活かしたい。10Rのレオンドーロは夏期の復帰後が案外も、状態と舞台がかみ合えばもっと走れるはずの馬。このコースは合っているはずなので、ひと息入れての地力に期待しています。11Rのサンライズオネストは栗東の河内厩舎から有難い依頼。前走は重賞の富士S(11着)なので、ハンデ戦のオープン特別ならチャンスがあるはず。しっかりと研究して結果を出したいメインレースです。12Rのマイネルレンカは昇級後の2戦が苦戦していますが、自分なりに馬の癖などは把握できています。細かいところに気を付けて、ひとつでも上の着順を目指したい。
日曜の早朝はラヴズオンリーユーとマルシュロレーヌがやってくれましたね。持ってる矢作先生ならと思ってはいましたが、日本馬があのブリーダーズカップを勝つなんて表現に値する言葉が見つからないほど。とりわけ、本場のダートG1も制したのですから、まさにアメリカンドリーム。本当に素晴らしいです。ホースマンとして励みになりますし、日本馬のレベルを結果で証明してくれた陣営の方々に感謝したいです。
プロフィール
柴田 大知 - Daichi Shibata
1977年6月18日生まれ、栃木県出身。
1996年に騎手デビュー。デビュー2年目までは年間20勝以上をマークする若手有望株として注目を浴びたが、年々勝ち星が減少。遂に2006〜2008年は未勝利に終わった。しかし、騎乗数を徐々に取り戻すと、2011年には中山グランドJで涙のG1制覇。「マイネル軍団」の主戦ジョッキーとしてのポジションも確固たるものとした。2013年にはマイネルホウオウでNHKマイルCを制し、平地・障害ダブルG1制覇を達成した。